紋谷のソコヂカラ

おい あんちゃん!元気か? [本]

投稿日時:2010/04/24(土) 20:33

 「おい あんちゃん!元気か?」

 

おっさんに、突然話しかけられた。

 

小田原からの上り…東海道線の車中、座るや否や、
弁当を食い始め、終わるや否や
カップ酒を片手に新聞を読み始め、

「春一番ですねえ~♪」と鼻唄を唄い出した おっさんにであります。

 

「おっ!! ガッツポーズ! いいねえ 格好いいねえ!!」

 

「おっ!! かんどりしのぶ いいねえ!! しのぶぅ~あめ~♪」

 

スポーツ新聞の記事をみながらの大きなひとりごとを連発している。
時折、僕の方をちらちら見ているような気配、もちろん知らん顔をしていた。

 

こういうおっさんは、さびしがり屋で、話に乗ろうものなら、際限がなく、
面倒くさくなるのがオチなので、もちろん知らん顔をしていた。

 

「普天間ねえ~なんだかなあ~時の流れに身を任せぇ~♪」

 

「事業…しわけ…申し訳けねえ~なんてな」

 

事態は、エスカレートする方向のようだ。

 

このまま放置して、この浪花節ギャグを我慢するか…決断が迫られている。

…と、おもむろに、キタ!!

 

「おい!あんちゃん 元気か?」

 

仕方ない。

 

「元気そうにみえますか?」

 

「見えるねえ~見える 人生悩みなし!って感じだ うほっうほっ」

 

「どのあたりが?」

 

「どのあたりもこのあたりも…うほっうほっ…」

 

この、うほっうほっは、会話の間、ずっと続くのですが、面倒くさいので省く。

 

「アイルランドのかざんばいってのは、あれかい、そんなにすごいのかい?」

 

「アイス!…ランドのですね。飛行機のエンジンの中に入ると大変らしいですよ」

 

「ふーん。アイルランドから、こっちにゃ来ないのかい?」

 

「アイス!…ランドは、遠いですからね 
日本じゃ、中国から黄色い砂が来るくらいですかね」

 

「…でもなあ 空港の人が あれだろ 帰れねえ外国人とかに毛布貸したり、
どっかタダで連れてったりしてんだろ。えらいねえ…おれは感激したよ」

 

「ほかの国じゃ、なかなかしないでしょうね。ああいう日本人らしいところ、
僕も好きです」

 

「ふーん。でさあ、沖縄のアメリカの基地は、どうなんだい? 」

 

「どうというのは?」

 

「だから 結局、どうするのさ」

 

「どう?…と言われても」

 

「なんか解決策はあるのかい? あんちゃんならどうする?」

 

「僕が、決めていいんですか?」

 

「いい いい 任せる 」

 

「…そうですね。…全国、すべての地方自治体に公募するんですよ。」

 

「こうぼ?」

 

「ええ。土地を提供したら、毎年100億円の特別助成金かなんか出すからって」

 

「…で、くるかえ?」

 

「グアムがよいなら、もう北海道の僻地でも、東北の寒村でも 瀬戸内の無人島でも 
なんでも同じでしょ。財政の赤字や過疎に悩む自治体なら手をあげるんじゃないかと」

 

「ふーん。でも、100億はたけえなあ~」

 

「50億くらいでもいいんですが、大切なことは、政権が変わっても未来永劫、
基地がある限り、助成金は保障ってお墨付きがないといけないですね。」

 

「法律で決めるんかい?」

 

「法律は出来ても、変えられちゃうから、簡単に反古にできないやり方で…

そこまでしたら、おらが村に基地を…って、殺到しますよきっと」

 

「ふーん。間に合うんかいそれで?」

 

「頭下げりゃいいんですよ。ごめんなさいって、…で仕切り直し。

頭下げてうまく治まれば、5年したら笑い話しです」

 

「ふーん あんちゃんも呑むかい?」

 

「いえいえ ぼくは結構です」

 

「その荷物はなにがはいってるんだい?」

 

「母ちゃんのつくった 筍の煮物とふきの佃煮と…」

 

「おっ!いいねえ」

 

「食べますか?」

 

「いいの?」

 

賢明なる読者のみなさんは、

こういう盛り上がりを僕が好きでやっているのでは…と誤解していませんね。
別段、気にならないって程度なんです。僕の場合。

 

「うまいねえ~」

 

「ありがとうございます」

 

「んで、どこの生まれ?……しずおかねえ~…母の日に…

ふーん 親孝行だねえ」

 

「ぜんぜんです。親不孝を絵に描いて、ハサミで切り取って、張り合わせて、
空気入れて膨らましたような人間です」

 

「なんじゃいそりゃ ヘンなこというねえ」

 

賢明なる読者のみなさんは、オマエ、もうすでに楽しんでいるだろう、
と誤解しているようですが、
確かに、このあたりは少し楽しんでます。

 

「あんちゃん嫁さんは?」

 

「いえ、残念ながら おじさん、お子さんは…?」

 

「いるよ。いま中国で働いてる、あの…ほれ小さい島のほう」

 

「台湾ですか」

 

「そうそう」

 

「遊びには?」

 

「いかねえ………めんどうだもん」

 

ここは、少し考えて…答えた感じのおっさん。
台湾近いですよ…とか振ってみたが、反応は鈍い。少し、中国の話しをする。


「おれ、最近、胸が痛くてさ、腰もなあ~こう重い感じで、手も痺れるんだよなあ~。
あんちゃん、健康そうでいいなあ」

 

「そうですか。そう見えますか。」

 

「癌とか言われたらどうしよう?」

 

「心配ですか?」

 

「こわいねえ~癌なんて言われたら、死んじゃうよオレ。
あんちゃんも、今は元気だからいいけど、そのうちこわくなるよ」

 

「そいういうもんですか?」

 

「そういうもんだよ。だんだん歳をとると、こわくなる」

 

病気の話に付き合うのは、慣れている。どうということもない。

 

「藤沢過ぎましたね」

 

「あんちゃんどこで降りるの?」

 

「戸塚です」

 

「うほっうほっ…同じじゃん…んじゃあさ…どこかでいっぱい行くか?」

 

「まだ…昼ですよ」

 

「昼からがいいんじゃないの」

 

…このあと、戸塚で降りたおっさんと僕…さてどうしたのか?

 

それはまたのお話し。

◆◆◆

今年も、少しすると「ツール・ド・フランス」がはじまります。

 

僕にはサッカーW杯より楽しみです。

 

近藤史恵さんの新作「エデン」(新潮社)…かなり面白いです。

 

複雑で奥深いサイクルロードレースの世界がよくわかりますし、
主人公の“男”に胸を打たれます。

 

決して、長くない小説です。前作の「サクリファイス」と併せ、
ぜひ読んでみてください。
きっと、観たくなりますツール。

 

帰省の折、母から「1Q84…って小説、話題らしいけど読んでみたい」
と言われたので、うーん…と思いながらも、贈ることにする。

 

昭和ひとけた生まれの母は、チャレンジャーだ(笑)

 

さあ、みなさん。もうすぐ母の日。
お忘れなく。

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