紋谷のソコヂカラ

銀座の定食と戸塚の再開発 [旅/土地]

投稿日時:2009/03/05(木) 23:28

銀座8丁目にある居酒屋さん、お昼は定食を出し営業している。
以前、職場が近かったせいで、よく利用させて頂いていたが、
ここのところ、とんと…もう7,8年くらいはご無沙汰をしていた。
当時は、よく混んでいたなあ…という印象でした。
 
久しぶりに東京に出た折、思いついて立ち寄ることにした。
1時を少し回ったくらいでした…いっぱいか…
と入り口の引き戸を開けると
中は、がらがら 

…あれ? お休みか?と 戸惑ってしまった。
すると、奥から、「いらっしゃい」の声…


 
席に着く前に、注文を先にする段取りのお店なので、
出てきた女将さんに、
 
「しょうが焼きの定食に納豆を…」と伝え、席に着いた。
「まだ、1時なのに…お休みかと思いましたよ」というと、

「最近は、暇でねえ…」と苦笑交じり…
 
なんとなく暇を持て余していたお話し好きの女将さんは、
僕が、数年前までよく顔を出していたことを知ると…
 
「よく来てくれていた客さんの会社が
 銀座から引越しをしてしまってね…
  もうお昼はいつもこんなものですよ」
 
なんとなくの会話が彼女の火をつけてしまったようで、
それから1時間…テーブルの僕の前に座り、
女将さんのこのお店の成り立ちについて、
家族のことまで、拝聴することになってしまった。
 
元は麻布で魚の卸業を営んでいたことに歴史は始まる。
おじいさんが銀座の店舗をいじり、
現在の形になったのがもう数十年前。
 
近隣の同業者が、次々と店を畳んで行くなか、
父母息子…今はお嫁さんも含め、
助け合い商売を続けておられるそうだ。
 
商売の秘訣はなんですか?と問うまでもなく、
 
「ウチはね。材料は国産しか使わない。
  だって味が違うもの。高いけどね。
  そこのところは変えられないわ」
 
「先代が比較的派手な方だったんだけど、
   夫はまじめなひと。そこがこの商売にはよかったの」
 
「息子にはよく言うの…どんなに成功しても仕事は一生懸命やりなさい…
   日々のがんばりが物事のはじまり」
 
…話しを引き出してしまったのは僕のせいですが、
おかげで、しょうが焼き食べたんだかなんなんだか…
味も分からず、お茶を代わりしても、もう一杯お代わりしても…
出るに出られず、なんだか長居をすることになってしまいました。
 
壁に掛けられた往年の歌舞伎俳優のサインの色紙に
纏わるエピソードもそうですが、
昭和の初めから続く、この店の歴史は、
なかなか興味深いものでした。
 
よい話し、ありがとうございました。
 
拝啓…もと8もしくは7関係の皆さん、
たまに思い出したら 寄ってあげてくださいな。


 
 
僕は、神奈川県戸塚に住んで…17年になります。
故郷の静岡に感じが似ているせいか、どうも居心地がよい。
なんといっても、緑が多い、しかも原生の姿で残っている。
 
しかし、住み始めた頃から較べると、
都心に近いこのあたりの土地は、少しの空き地も残してはくれず、
マンションや戸建てがニョキニョキと建ち、
おそらく人口は倍近くになっていると思う。
 
僕の住むあたりは、昔、吉田茂が葉山の自宅から、
国会の在る霞ヶ関まで、ハイヤーだか自家用車だかを飛ばす際に、
東海道の“開かずの踏み切り”に怒り、
新しく国道にバイパスを通してしまった…
その…横浜新道の近くです。
 
このあたりは、住宅街なのに…日用品の買い物をする場所が…
オンボロなダイエーしかありません。
ボロな割には、週末は大繁盛。
大繁盛なのだから、キレイにすればよいのに、
ずっとボロなまま。
 
どれくらいボロかというと…
営業妨害になるので控えますが(笑)
そう笑っちゃうくらい…ボロです。
 
近所には、まともにご飯食べるところもありません。
正確に言うと…出来てはつぶれ、出来てはつぶれ…
多いところは、ここ5年で5件、
飲食のテナントが替わったビルがあるほど。
 
飲食店だけでなく、和菓子屋、インテリアショップ、ガソリンスタンド、
100円ショップ、なんとコンビにまでもが…
どんどん潰れてゆく。
 
昔から…ここ17年ずっとです。
 
正確には、ダイエーの近所に関わらず、
戸塚という町そものもがこういう性質の場所だからなのだと思います。
 
自宅と駅 
自宅とダイエーの往復…
それなりのものは横浜や藤沢に買い物にゆけばよい。
日用品はダイエーで。 

この傾向が進み、近所で何かをするということがなくなるドーナツ化。
 
そんな戸塚が変わろうとしています。
 
「戸塚西口再開発」


 
大げさではなく、40年前からの悲願がやっと着工。
 
江戸時代からの宿場町戸塚は1887年の東海道線開通で一挙に人口が増え、
現在の乗降客数は一日あたり27万人。
 
この人口の増加に、都市整備が追いつかない典型のモデル。
 
件の、開かずの踏み切りのせいで、駅の東と西は、
人の行き来が分断、とくに西口は昔ながらの商店街が密集して、
道路は狭く、駐車場は未整備、防災上も不安…という地域。
 
ここにメスが入りました。
 
悲願と言うのも大げさではなく、それほどいびつな構造の町です。
整備計画の前提となる「住民の声」を覗いてみると…
もう文句や要望の嵐。
 
2012年~14年頃には 完成との話しですが、
滞らずに進めて欲しいものです。
 
戸塚といえば、ブリジストンと日立さん。
両社の従業員がお昼を食べにやってくる…
そんなお客さんが9割の中華料理屋は頑張っている。
店主の威勢が乗り移る店は、繁盛している。
 
そういう活気があるお店。
味は…まあ普通ですが(笑) 
この環境下で頑張っていることは応援したい。
 
限られた常連客に極度に依存しているということは、
危険もあるということ。
工場ひとつが移転するだけで、
小さなお店はすっとんでしまう。
 
移転する側の事情はさまざまなれど、
社食の不味さを補ってくれる店に、感謝などない。
 
この中華屋さんが、野菜炒めのキャベツを国産に
こだわっているとは思えませんが、
それでも、奥さんとパートのおばちゃんと
汗水垂らして働く姿は、
銀座の居酒屋の女将さんが言っていた、

「目の前の仕事をまじめに継続」

この当たり前の言葉を思い出させてくれる。
 
それにしても、これほど、外食が地盤沈下している場所…
ということは、戸塚在住の家族、我が家の奥さんの手料理は
その分、どんどん上達しているのでしょう。

うらやましいものです。はい。

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