紋谷のソコヂカラ

秋祭り [旅/土地]

投稿日時:2009/10/13(火) 09:33

生まれも育ちも「世田谷区奥沢で…」という友人などと、
プライベートや仕事で いっしょに地方に行くと目を輝かせる。 
僕にとっては当たり前に親しんだ、森や林や川や田んぼにであります。
 
出身が地方でも比較的市街地に生まれて、東京に出てきたという方などは、
逆にそういう感覚はないようで、
俗に言う「田舎は苦手」という方が比較的多い気がする。
 
両親が居て、代々の墓がある場所だから 
帰省はするものの森は森でしかなくて 
川は川でしかない…なにか? 
という具合だ。
 
「旦那が九州で 私が秋田でしょ… 
大変なのよね…子供も居るし」
 
いくら帰省したくても簡単ではないことも多い。
 
一説には 同じ都市圏に住んでいても居を構えるとなると、
無意識に「自分の田舎に近い場所を選ぶ」のだそうだ。
 
西の出身者は神奈川県に…
東京在住なら 世田谷 目黒 大田区 …などなど
 
逆に東の出身者は新宿に近かったり 
池袋だったりというように…
 
僕の場合はそういわれるとそうだなあ…と気がつく。
 
最初が高田馬場 これは学校の関係… 
つぎに 祐天寺 学芸大学 自由が丘 
と風呂なしアパートを 転々として
 
埼玉に勤務してから 大山 石神井公園 
…などなどでありましたが 
またすぐ西に越して以来 
20年近く神奈川県に住んでいる。
 
おかげで…と言うのも可笑しいが、 
帰省には車でも電車でも、2時間半で済む。
 
地方の公共事業問題が、またまた“かまびすしい”
わが静岡の例でいえば 「第二東名」と「静岡空港」 
この2大事業であります。
 
「静岡空港」に関しては、そもそも論から、
建設工事の不手際 など“ミソ”は漬け放題ですが、
メディアが取り上げた話をなぞるのも無駄ですから 
私見を詳しく言いませんが…
正直…「建設する意味がわからない派」でした。
 
ところが 先日 長崎出身のある女性からこう言われた
 
「静岡空港行きたいわあ…だって富士山見たいもの…」と言われた
 
北海道の出身の友人も 
「 母ちゃんがさあ 富士山見たいっていうからさあ 
 …空港出来たでしょ…招待しようかと思うんだよね」という。
 
ついでに言うと 韓国人の知り合いも 
「こんど静岡に富士山見にハムニダ(謝)」とメールが来た。
 
…なるほど 他県の人はそう感じているのか。 
富士山ばっかだなあ…と苦笑しつつも、
 
地元は「行くニーズ」だけを必要論の判断の基準にしてしまうが、
「来てくれる」ということは実は盲点か。
 
もちろん、試算のシュミレーションでは観光収入も織り込み 
ロジステックスに纏わる経済効果も見込まれているのでしょうが、
地域感情としてはやはり「オラはのらねえだら~」から発意してしまう。
 
それでも運行開始から半年くらい経ちましたか… 
沖縄や北海道路線くらいが採算ベースで後は下回っているらしい。
JALに足りない分を2億ばかり払わなければとなっていて、 
またまた“かまびすしい”。

今のJALには 焼け石に水にも足りない誤差なのでしょうが。
 
「第二東名」はどうなるのだろう。
 
まあ中止と言うことはないのだろうが 
…もし凍結とかなる可能性が今後増すのであれば非常ににみっともない。
 
うちの近所を通過する(正確には実家の2Kmほど裏)ために、
森は切り開かれ 造成工事の最中であります。
 
また、目の前の田んぼには 巨大なコンクリートの柱がバンバン…バン!
(まさにこういう感じ)で立ち並んでいて、
頭に乗っかる道路の完成を待っている。
ここで止められたらたまらない。 
 
積年の思いが凝縮された、某ダム問題とは比べるのも申し訳ないが、
気持ちの根幹は同じように思う。
 
もし、この異形の柱が…このまま放置されることになるようなら… 
ボクは落書きしてやる! 絶対に!
 
◆◆ お誘い ◆◆
 
11月6日~8日 わが故郷  森町ではお祭りがあります。
 
少しご紹介します…
 
静岡県西部地区最大のお祭りといえば、浜松の祭りが有名です。
 
これは 城下町浜松のお殿様が第一子誕生の祝いと始めたのが
そもそもの起こりで、今も「我が家の初子を町内で祝う」というもの。
市内170の町内で 巨大な凧揚げ合戦をしたり、
御殿屋台を引き回したりと…
なかなかに盛況な夏のイベントであります。

地元、森町を出て、浜松市内に居を構えている親戚は、
「ボクはここのお祭りの意味がわからないただ騒ぐだけで
 …だからなんなんだと感じる」
と言うが、浜松出身者に言わせると 
 
「このお祭りは地元のわれわれだけのためにある。
 子供が産まれたことを内輪で祝う
 だから身内同士…そういうもの」
…らしい。
 
実は、ボクはこの歳まで浜松祭りを見たことがなかった。
去年、今年とはじめて体感した。

結論を言えば、その親戚の意見に同感であります。
 
これは同じ静岡西地区のものが近いが故に
より感じる独特の感情かもしれません。
 
あの…ただ騒ぐだけ…な感じに共感できない 
…のでしたが、
「身内のお祭り」といえばそうなのでしょう、
そもそもお祭りとはそういうものなのでしょう。
…それにしても感じる違和感は…
規模のでかさかもしれない。
 
どうにも 何を観てよいのか…わからない
 
あと、初子のお祝いがベースにあるとはいえ、
祭りのコンセプト…
うーん 一本筋が通っていない感じが 
どうも乗れないのであります。
 
このあたりは好き嫌いの範疇ですから仕方ないのですが…
それにしても、身内の大騒ぎ…というわりには
観光客に向けてのパフォーマンスは大掛かりでありました。
 
森のお祭りはこれに比べては規模も小さい大凧も上がらない…
それでも ボクは大好きなのです。


 
そもそもは2つの神社の氏子町だけの祭礼だったらしいのですが 
大正までの村の細分化や融合を経て、
14の町内が参加する現在の形になったお祭りです。
 
そもそもは今年の豊年への御礼と来年の五穀豊穣祈願…
いわゆる秋祭りです。
 
お祭りの開催中は、町内にはそれぞれ2輪屋台を引き回します。
 
この屋台がなかなか美しく
屋上の浜床には歌舞伎などを模した三車人形がライトアップされ、
車体は総漆塗り。中には 大太鼓 小太鼓が乗り込み、
笛を鳴らす手木には 肉襦袢姿の若い衆が入り 
「おっそら」の掛け声も勇ましく 練る。


 
屋台の前方の長い綱は 町内の子供たちの担当… 
おそろいの法被姿で、屋台と一緒に町内を巡るのであります。
 
森の町内は道が狭く、入り組んでいて 
家々の軒をかすりながら右に左に…練るさまは 
見ているだけで心が沸き立ちます。
 
違う町内の屋台がその狭い道で鉢合わせるようなら 
喧嘩がはじまります。
 
どちらも譲らないつばぜり合い… 
それが故で遠州の喧嘩祭りとも言われてきました。
 
ただ、昔、この喧嘩が行き過ぎて…死人がでたこともあり、
現在では自粛…まあ睨み合い…という感じに落ち着いています。
 
祭りの見どころは2つの神社前に全部の屋台が並ぶ 
「お渡り」と最終日の「舞児還し」
 
「舞児還し」は、
 
毎年各町内から選び出された子供が舞楽を奉納し、
最終日にはこの舞児を各々の家に送り返すという行事のことで、
舞楽を終えた舞児を 町内の男集が担ぎ、
社から地面につけることなく屋台の前面に納め帰ってゆくという 
慣わしなのです。


 
ボクは 特にこの舞児返しが 大好きで…
実は サラリーマンの時代にひとり新幹線に飛び乗り 
この舞児返しだけ観て帰る…なんてことをしていました。
 
奉納される神社の社へと続く石段の脇の木立から下を見下ろすと
狭い道に町内の屋台が舞児の帰りを待ちながら、ひしめき合っています。

「おそらおっそら!」と掛け合い、大太鼓小太鼓と笛が醸す
独特の調子が響き渡ります。 
日が落ちて行く中に 数百の提灯が乱れ 
見物客の熱気も重なり、それは活気がある眺めです。
 
これを観ていると 元気が出てくるのです。
ということで、今年は帰省してじっくり堪能することに決めています。
 
森の町に住む従兄弟のひとりは、英悟が堪能で 
海外の友人をこのお祭りによく誘っていました。
 
「小さい町の小さいお祭り 
 …でもそこが 他にはない独特の日本の伝統を感じる。
 そのなんというか凝縮された熱が好き」 
という感想を 言ってくれるそうです。



小さいが故に 参加している感じを楽しめるのかもしれません。
 
東京から新幹線で2時間半…
掛川駅から 天竜浜名湖線という在来線で30分 
…そこが森町です。
 
元気のあるなしに関わらず 
秋深い田舎のお祭りの気分を味わいたい方は 
ふらっと…寄ってください。
 
知らない町のお祭り というのもよいものです。

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