紋谷のソコヂカラ

お見舞いの心得え [見舞百景]

投稿日時:2009/07/24(金) 18:29

築地の国立がんセンターに、知り合いのお見舞い出かけた。
いつ来てもこの病院は、威風堂々としている。
エントランスがそれほど広いわけではないのだけれど、
天井が高く、採光が豊かで明るい。
 
今日は、手術と聞いていた。
手術自体は、それほどのこともなかろうと、伺ったのだけれど、
受付で聞くと、どうも、長引いているようで…会えそうもない。
 
本人の弟さんが あいさつに 降りてきてくれることに…
 
少しすると、ママの手術を待っている 娘2人とともに現われた。
弟さんは 病気の経緯や本人の心持なんかを、
まだ飲み込めていないらしく…
ボクが最近のメールのやりとりで知った、ことをお話しする。
 
…すると 傍らで 娘2人が 聞き耳を立てていることに気づく…
 
小学生の姉妹。
 
大人2人がママの病気について 話している…なんだろ?
聞き漏らさないぞ…
 
少し、声を大きく話す。弟さんだけに話すのではなく、
娘2人とも視線を合わせ、
わかりやすい言葉で…話す。
 
大人には 根拠のない 大丈夫は言わない。
病人本人にも言わない。
 
大丈夫…と聞いても、その本人の心は安らがないから…
でも、子供には 言ってしまう。

 言わずにいられない。、
 
「ママはだいじょうぶ…ぜったいに だいじょうぶ」
思いっきりの笑顔で。


今日、さて伺おうと思い立ち…はて…なにかお見舞いの品を…
と考え 悩んでしまった。
 
お見舞いのスペシャリスト(語らせたら…という意)としては…
見舞う相手にとってなにがうれしいのか 
…わかりそうなものだが、
改めて、見舞うとなると…これがさっぱり思いつかない。
 

1ヶ月ほど前に 癌患者さんが、医師や病院と協力して
「癌との闘病の際の心得」をまとめた冊子ができあがる話を聞いた。
 
この冊子には、実際に、患者さんたち数十人からもアンケートを取り、
お見舞いの際に 見舞う側が気をつけたい
ポイントなども紹介されている。
 
たとえば、お見舞いの際に
 
「匂いの強いものは 控える」 
 
 
口にするものはもちろん、お花や本人の香水なんてものも、
見舞う相手、だけでなく、同室のほかの患者さんにも迷惑です。
…とのご指摘。
 
 
抗がん剤の治療は 薬と体質にもよるらしいが、だいたいにして、
“匂い(臭い)”には敏感になる。
敏感というと、それほどのこともない感じなのだが…
はっきり言って、すごく辛い。
 
僕の場合は、いちばんひどい時は、
替えていただいたシーツの洗濯洗剤の臭いで、
吐きそうになった。
 
見舞う言葉へのご指摘では、
「残された時間」という言葉。
 
いかにも もう死ぬみたいだから…
配慮が足りない。
 
そういう場合は、
「限りある時間」としましょう。
というご指摘。
 
こちらの言い回しなら…誰にでも当てはまるから。
 

これも、実際に “残された…”と言われ 
傷ついた患者さん本人の指摘なのだろうから、
なんとも言いづらいが、 
ボクなどはこのあたりはぜんぜん気にしない。
 
むしろ、限りある時間などと言われた方が、
不自然な気遣いを感じてしまう。
 
まあ、僕の場合は そういうことには、鈍感のようなので、
この冊子のアンケートに答えたとしても
異端な意見として、採用はされないのだろうが。
 
…とはいえこの本にも なにがベストなのかは
載っていないだろう。載っていたとしても、
大まかな話でその人にベストなものとなると
そこまではマニュアルにはできない。
 
 
困った末に 2人の娘にロールケーキを買い。
本人には、何も用意しないで伺った。
 
…ただ、 話せるようであれば 
何か気の効いたことでも 
言おうと考えていた。
 
だいたい、お見舞いで顔を出し、
喋ることもなくベットの脇で無言でいられたら患者には辛い。
 
残されたでも、限られたでも、なんでもよいから喋ってほしい。
 
…で考えた末にこんな感じがよかろうと思った。
 
手術直後 麻酔が覚めて少したったタイミング…ということで、
 
 
◆◆◆
 
今、まさに手術中…
 
看護師「…先生!!」
 
医者「どうした?」
 
看護師「…た…た…大変です!!」
 
医者「なんだ…いま 大切なとこなんだよ」
 
看護師「麻酔が…麻酔が…!」
 
医者「麻酔が…どうした」
 
看護師「麻酔が…切れて…しまいました」
 
医者「!?…なに…手術…ちゅうだぞ!」
 
……うーん?…(目覚める患者)…
 
患者「…せんせい…わたし…」
 
医者「…○○さん…」
 
患者「もう…終わりましたか?」
 
医者「…いえいえ まだ手術中なんですよ」
 
患者「?えっ…でも わたし 意識が…あるんですけど」
 
医者「はい。 ええ…」
 
患者「…先生!?」
 
医者「麻酔がね …切れてしまいまして」
 
患者「はい?」
 
医者「麻酔が切れて…まァ~すいません…なんてぇ」
 
◆◆◆
 

とまあ、こんな話し…
 
…今思えば、会えず終いでよかったと思う。
でも、後日、メールにて上記の簡易バージョンを送ってしまったが…(笑)
 

この、夏らしからぬ天気が今後1週間は続くらしいと 
さっき、テレビで気象予報士のおじさんが言っていた。
 
傍らのアナウンサーが聞く…

 「夏はどうしたのでしょう?」
 
すると 予報士

 「夏休みなんじゃ…ないですかねえ」
 
…う…うまい …なかなかのコメント
…予報士にしておくのは惜しい。
 

ドラマの長瀬の台詞…

 「うちの兄弟…体が弱くて… ボクは痔で…弟は腸が悪いんです。
  長男が次男で…次男が長男です」
 
…なるほど … 笑いにくいが …キレイに落ちてる。
 

みなさん恥ずかしがらないでもっとギャグや駄洒落を言いましょう。
そして、お見舞いに困ったら… ギャクや駄洒落を…ぜひ。



どうしても言えないなら…こんな本ならありかも。


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