紋谷のソコヂカラ 2008/9

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お題は…秋で

投稿日時:2008/09/29(月) 23:59

◆秋といえば…
 
日本人…スポーツとくれば“プロ野球”。
NHK以外は民法の2chしかない時代、
地元に球団がない田舎で育てば、誰でも、
大抵は“ゆけゆけジャイアンツ”となる。
 
ほかの球団など知りたくても知らない…
パリーグなどは、どの球団に誰が所属しているかも分からない。
好きな選手は、高田。
8マンのファールボールに憧れた。
どこにでもいるごく普通の巨人ファンでした。
 
わが家の新聞は、「中日新聞」…
なぜかは知らない。
愛知県に近いから販売店も多かった…
そんな程度のことだったのかもしれないが、
そのせいか
父は、中日ファン。 
 
しかし、うちの父は「ワシは、巨人が嫌いだ」と
いつも言っていて、自分は、
中日ファンではなく“アンチ巨人ファン”だと
嬉しそうに言うのだ。
この…嬉しそう…
というのが理解できない。
 
嫌いなものを嫌いと応援する 
それで楽しいのかと、子供心にいつも感じていた。
巨人-中日 対決の放送日となると、
親子に微妙な緊張が走る。 
前半で巨人がリードしようものなら大変だ、
騒ぎ出すのなら対処もあるのだが、
うちの父は、音声の“つまみ”を絞り、
音を消してしまう。「どうして?」と聞くと…
「うるさいから」とだけ応える。
 
そんな感じだから「木俣っていいよね」などと、
ご機嫌を伺ってみたりしながらの観戦でした。
 
「自分の名前の由来」を父に尋ねたことがある。
小学校の宿題だ。
少し考えて父は、
「人と同じような生活が出来ればよい。だから税」
と答えた。
なんともつまらない由来だと、
がっかりしながら、教室でその通りに答えた。
 
中学に上がり、忠臣蔵なるものを知った。
そこではじめて、自分以外に“税”と付く、
名前のあることを知る。
 
僕の生まれは師走の10日…
あれ!?…これはもしやと思い。
宿題ではなかったが、再び、父に尋ねた。
 
「僕の、名前って、大石主税から取ったんじゃないの?」
すると父は、ニヤっと笑い
(ほんとうにニヤっとした)…
なにも応えなかった。
 
僕としては、税金よりは昇格した気分だったが、
四十七士のうち、なぜ大石の息子なのかを知りたかったのだが、
教えてくれない。
母も「お父さんが決めた」としか言わない。
 
後は「自分で考えろ」ということだったのかもしれないが、
こればかりは考えてどうなるものでもない。
 
仕方がないので、
「主なしとて忠義を尽くす、それが男の生きる道…
だから僕は“主”のない税」
ということにしている。
 
どうせなら“内蔵助”がよかったと思わないではないが、
紋谷内蔵助では、ギャクである。
唯一、生き残った“吉衛門”はどうかと言われれば、
それもイヤである。
 
だから、まあいいかと納得している。
 
まったくひねくれた父のせいで、
考えなくてもよいことを考えていた。
 
ちなみに、野球はといえば、
江川が引退し、日本シリーズに2年連続、西武に“4タテを喰らう”…
このあたりで僕のプロ野球観戦は終わってしまった。
今では、MLBの松阪を観るくらいだ。
イチローは嫌いで野茂が好き、まあそんな感じです。
 
上京して、広島出身は広島ファン 
横浜は横浜…
なんとヤクルトファンまでいることに驚きました。
しかもみなさん熱狂的。
やはり、地元に球団を持つと、
情熱も年季も違うなぁ…と感じました。
 
そんな自分でも、たまにチラチラと
プロ野球のテレビ中継を観たりします。
 
どしても腑に落ちないことが2つ。
 
なぜ最近は、コロコロとピッチャーを替えるのか?
 
先発~中継ぎ~押さえまではよいとして、
近頃は、7回8回9回でひとりづつ、
交代する「起用法」が当たり前になりつつあるとか。
打たれて替わるのなら当然なのですが、
もう予め、そういうことになっているらしい。
意味が分かりません。
選手会との取り決めに「選手の雇用の確保」が
取り決められているのでしょうか?
 
左ピッチャ対左バッター 
球種がスライダー 
…は観ていて、「打てねえ!!」 と思うのですが、
さかまさにして、
右ピッチャー対右バッツター 
でのスライダーは 
…まあ 
コースが甘けりゃ打ちごろかなと感じる。
 
バッターにしてみれば同じでしょ。
なぜ受ける印象がこうも違うのでしょうか? 
僕が右利きだから…?
 
誰か、教えてください。
考えなくてもよいことが気になるのです。
 
◆秋といえば…
 
週末、銀座のホステスさんからメールを頂いた、
「来週、大切なお客さんとその取引先の大切なお客さんと、
お店の娘と4人で接待同伴。
銀座でカジュアルフレンチ。
よい店はないか?
また○○を考えているんだけど、
○○ってどう?」
 
という内容。 
銀座には1年以上、
足を踏み入れていない僕にいきなりの質問。
 
銀座に美味しいカジュアルフレンチはない。 
…と思う。
だいたいフレンチをカジュアルにするのはおかしい。
だったらイタリアンにするか、
いわゆる創作和食の美味しいところにするべきと思っている
…もんやの返信は…
 
「もうひとりのホステスさんが大丈夫なら、
銀座ではない場所をチョイスすべき。
□□や▲▼がお勧め。

ちなみに○○…昔は美味かったが、今は味は落ちたと聞く。
一品になんか美味しい出会いがあればラッキーと腹括る系。
大切なのは会話の楽しさ」
 
すると、
「遅れが許されない娘だから…銀座がよい。
取引先のお客さんは、堅苦しいのが苦手なので、
カジュアルが…
そうなると限られてしまうのです。
あと自分にとっても大切で楽しみな場。
少しでもよい店を選びたい」
との返信。

昼間、大学院で「国際環境」を学び、
夜はホステスさんを一生懸命している娘。
どちらにも手を抜かないガッツは見習うべきものがある。
ホステスという職業をしっかりやっている女性は大変です。
看板もブランドもなく、自分自身を売り込むという
営業は…
ほんとうに難しい。
ましてや相手は…。

そのなかでも
「使ってくれる金額が多く。
それでいて、一緒に飲んでいて楽しい」
というのは稀で、こういうお客さんに出会うと
彼女たち自身も気合が違うのです。
 
なんとかすべての条件を満たすお店を
教えてあげたかったのですが…
チカラ足らず…
やはり銀座というのがネックでした。
 
「飲み食いにまつわる道」というのは、
極めるということが難しい道です。
その理由は個人それぞれの趣向があり、
それが、いちばんであるから。
もっといえば、なんでもよい奴はなんでもよいし、
たかだが食いもの、飲み物であります。
極めるというその先の姿に果たしてどれほどの意味があるのか。
他人に指南などされるべきではなく、
好きな場所で好きに振る舞い、
誰もが食いたいものを食い、
飲みたいものを飲めばよいのです。
 
それでも、4年間銀座で飲食経営をした僕にとっては、
「!?」と思う光景はありました。
 
「接待なのに1時間遅れてきて、
挙句に接待相手にお勘定をさせて、平気な営業マン」

「本マグロのお刺身を“カシスウーロン”で食う女子大生」

「10人での予約。予定時間を2時間すぎても現れないので、
携帯に電話したら…北海度に出張していた元同僚」

「1時間半お客さんを待たせ、同伴に遅れる15分前に店に現われ、
それでも、“梅酒を緑茶で割り、
熱々にあっためたものでないと私は飲まない”と言い張るホステス」
 
お客様は、神様という商売ですが…僕にはどうも刺激が強すぎました。
 
 
教えてください。
 
「ワシは、ワインは通なんだよね。
ナパでねワイナリーやりたいんだよね…
というので、評判のカリフォルニアワインを仕入れサーヴしたところ、
品種と産地を当てるから言わないでと言われ…
嫌な予感はしつつも黙っていると…
これはシラーだね…オーストラリアだろ!」
という場面…
みなさんならどう乗り切りますか?
 
◆秋といえば…
 
山頭火で好きな句のひとつに
 
「よい宿で どちらも山で 前は酒屋で」
 
という句があります。これは究極だなあ…と思います。
そういう時は、気の合うと友と2人。
というのがよいと思うのです…
 
僕はよく、男2人で海外や温泉に行って参りました。 
 
「惚れたオンナにプレゼント買いたいという友人と、
  思いついてのグアム2泊3日」
「中伊豆~南に…温泉を巡るドライブ旅行」
「バリ島~クアラルンプールへ…自転車担いで1ヶ月」
「佐賀嬉野温泉…究極の癒しを求めて」
「尾道…大林映画のロケ地を巡り道後温泉へ」
「岩手県遠野 釜石線に揺られて…」
 
そんな旅の話をすると、世間(男女問わず)は決まって…
「ええ~!?」と言います。
その「ええ~!?」の意味がさっぱりわかりません。 
新橋のガード下でチュウ杯飲みながら、
モツに煮込み食うのと同じ感覚なのですが…
なにか? 
 
女性2人旅はおしゃれといわれ、
なぜ男2人はおかしいのか?
まことに珍妙な感覚だと思います。
 
僕としては、気にしないのですが…
あまりに何人にも言われたので、
一度、箱根の老舗「環翠楼」を訪れた際に、
担当の女中さんに
 
「僕ら 男2人のお客って…
どう思います?…
なにかヘンですか?」
と聞いてみた。 
すると
 
「…… … 最近は、
色んな方がお泊りになりますから…」

といかにもわざとらしく目を背けながらの返事でごいざいました。
 
みなさんはどう思いますか? 
…とは聞きません。
答えは僕の中にありますからと一句…
 
紅葉を見に行こうよぅ…前田耕陽

 
◆秋といえば…
 
初めて買ったレコードは「百恵ちゃんのEP盤」
…禁じられた遊び…か、
ひと夏の経験…
どちらかだったと…
うーん思い出せない。

中学時代は、フォークギターを買い…吉田拓郎命。
しかし、「落陽」のEマイナーにつまづき…挫折しました。
結果、中学の文化祭でのバンド出演では、ピアノを弾いてました。
 
洋楽はビートルズからではなく、S&Gから洋楽を聴き始めました。
 
これは父の影響。
映画が好きだったせいで、…「卒業」ですね。
当時の映画音楽は、名曲が多く
「続夕日のガンマンのテーマ」とか
「太陽がいっぱい」…
「ひまわり」とか。
ヘンリーマンシーニなんか、
座敷に寝転んで、デカいステレオで聴いていた。(笑)
 
ほかに楽器といえば、田舎では珍しく、
鍵盤…しかもピアノではなくエレクトーンを習っていました。
小学校から高校までですから、

「歴としては」長いのですが、
もう30年くらい弾いていませんので、
まったく生きた趣味とは言えません。
まあ、高校時代は、教えてくれる個人レッスン
(この響きが…)の先生が美人で…
それ目当てでしたから…。
 
高校在学中からは、ご他聞に漏れず、洋楽漬け。
ラジオで聴き漁る毎日。
70年代後半~80年代はひととおり聞いています。
大学時代は逆に70年代のブラックコンテンポラリーにはまりました…
そういう時代でしたし、そういうことが大切な流れでした。
バイト先の先輩の影響でコンサートにもよく行きました。
単なるミーハーな若者でした。
 
でも、こういう下地は貴重で、
後にNYでゴスペルやジャズをナマで聴いた時に、
耳に心地よいのです。
なんというか、音楽を聴く耳の準備が出来ていた、
とでもいいましょうか。
よいものをよいと思える感覚が、
自然に身についていたという感じでした。
 
最近は なんでも聞きます。 
 
聴き直しているといえば、ディランですね。
初秋…車の運転中がよく似合います。
もちろん遠くにドライブはちと難儀なので、
近所のダイエーに行ったり、
病院に採血に行くくらいしか、
車は乗りませんが…
 
やはり、「風に吹かれて」…は名曲です。
 
僕自身のテーマでもあります。
 
 
 
◆秋といえば…でなんとなくの雑文ですいません。
こういう、「自己陶酔型」の文章は、
読む側に失礼と思うのですが…
秋の気分に従ってしまいました。
 
 
今週は 1日に今後の治療をどうするのかを決めるために 
採血~医者と相談があります。
場合によっては、京都にセカンドオピニオンに行くかもしれません。
改めてご報告いたします。

いま、行きたい日本はどこですか?

投稿日時:2008/09/23(火) 11:38

「地味でまじめな鳥取の女」
 
 
少し前に、女性の芸人さんが“自分ネタ”かなんかで喋っていた。
やけに耳に残ってしまった。 
確認しようにも、鳥取出身者が身近にいない。
いるのかもしれないが…わからないので聞くに聞けない。
仮にいたとしても、聞くに聞けない。
 
友人が「海の近くに家引っ越そうかと思うんだけれど…」
というので、茨城とか千葉はどう?…というと、
 
「なんか 行き止まりみたいで…」
 
と答えた。ああ…わかるその感じ。
 
銀座の店にバイトで来てくれていた学生の森君は
 
「茨城と千葉は、お互い、同じ扱いされたら怒りますね…
でも埼玉の奴と話すと、団結しますよ」と言っていた。 
 
青森の女性3人と同じ職場になったことがある。
 
3人とも色が抜けるほどに白く、目鼻立ちが整った美人…
仕事に対しても実にまじめ。
探してでも自分の仕事を作り出すタイプで、受け答えも、完璧。
 
中のひとりが、僕とデスクが近かった。
ある日、彼女宛に電話が…
 
「ζβ▼○○□□…ηηββ…?□γγ…○○θξξ∵▲…○○…」
 
今まで耳にしたことのないような会話…
あまりに気になり、後でさっきの電話は誰から?…
と聞くと
 
「実家の姉から…です」と恥ずかしそうに言う。
「じゃあ同じ青森出身者の ○○さん □□さん 
とかと話すと おんなじ感じになるの?」

「はい」
 
というので、興味深深のもんやは、
お昼休みに3人に集まってもらい、話してもらうことに。
話してもらう…というのもヘンですが、世間話でもと振ると、
そこはそれ、察しが良い彼女たち、
ひとりが「κα…◆?○ξξ…θ」と始めると、
加速度的に会話が始まる。
 
これが、最高でした。 
あっけにとられるというのはまさにこのことで…
何を言っているのかはもちろんわかりませんが、
会話ではなく「SHOW」を観ているという感じ。
楽しかった。
聞くと、津軽と南部とでは、同じ青森県でも、
微妙に方言が違うと言います、
僕には、インドネシア語とバリ語の違いより分からない…でも、
 
「ああ、素の彼女たちがここにいた」
 
と思いました。いつかカラオケで思いっきり
「青森の言葉しばり」でやってくれないか?と言うと、
もんやさんと4人ならよいと言うので楽しみにしているが、
以来、機会をつくれないまま、離れてしまった。
残念でならない、いつかその場をつくりたいとまじめに思う。
 
静岡は車で来られた方はわかると思いますが、
東西に長いため、
(新幹線とかで関西に出張しても、…まだ静岡かい!
…と突っ込まれた方多いと思います)
地域で方言も多少は違う。
とはいえ、アクセントや語尾のイントネーションが違う程度のことで、
 
「~らあ ~らあ」 
言っていたらまず静岡人です。中でも、

「そりゃあほうだら」とか「あぁ~なにゆってるだあ~」

なんてべらんべえな感じに喋っていたら
三河…に近い西部地方の静岡人です。
 
愛知県ほど閉鎖的でなく、
神奈川ほどあかぬけてなく、
富士山は「うちらのもの」と
山梨人相手にまじめに喧嘩できます。
 
高校卒業すると関東へも関西へも出てゆきます。
北はアルプスに蓋をされている分、東西への流れは潤滑。
 
東海道の時代から、まあなんというか
「東から人が入り、西から抜けてゆく」
またその逆も…という地域。
県民もどこかそういうことに無頓着で、
「お好きにどうぞ」な人たち。
 
サッカーの会話をするとよく分かります。
というか、実は、静岡人とは、
サッカーの会話はしないほうがよいです。

W杯~Jリーグ~ワールドフットボールへと
ファンの広がりを見せる、はるか以前から盛んでしたから、
特に40歳以上の「静岡サッカー好き」は要注意。
簡単に言うと、
“金子さんの理論をセルジオ節で語る”感じ(わからない人はいませんね)
 
たとえば、天皇賞の決勝あたりのハーフタイムにトイレに行くと、
用を足しながら首だけお互いに向けて、
「サイドが甘いよね」「つうか…へた」
「へただねえ」「これじゃ駄目だら~」とか 
話している小学生がいたら必ず静岡人。
いまでこそ、当たり前の光景ですが、
実際30年前の国立でこんな感じでした。
 
もっと感動しろよ!
と突っ込みたくなると思うでしょうが…
これで楽しんでいるのです。
 
「体力に劣る日本は、組織で…」この言葉が大嫌い。 
個人のチカラがしっかりしていなければ、
人数増やしても結局はおんなじ。
前の敵を自分のドリブルでかわせないなら…

引っ込め! 

僕が中学時代とか、みんなそう考えていましたから、
「ボールと友達になる」べく
静岡サッカー少年は日々、修練していました。
指導者にブラジル人が多いこともあってか、
華麗なるプレーのみが優先。
縦パスどーん!なんてのは邪道の極みです。

最近のオリンピックでいうところの、
「腰引いて 斜めに組んで 足とるなら 柔道じゃないじゃん!」
と同じでした。
 
この気質は、今も同じ。
だから高校選手権あたりでは勝てない(笑)
でも、プロになるとその差が出てきます。
個人が自分を強くするために、基本をちゃんとやるから、
体が出来てくると真価が発揮できる。
Jリーグに静岡人が多いのもそのおかげです。
 
いけない。サッカーの話になってしまいました。
ジュビロ磐田がふがいないせいです。
 
 
お国柄、人柄の話は、「秋は温泉だなあ~」と思っていたら、
なんとなく浮かんだだけです、別に比較とか…
そんな話でもなく、いったことのない日本があるのはもったいないなあ~
といつも思っていて、
ただ、行ったことがないから…行く 
と言うのでは、その気にならないのですが、
 
「よい宿のよいお湯で、
滋味深い食べ物に地酒、
そこに季節の風景が加われば最高」
と解釈し直せば
 
「いつか行けると思うのではなく、
あえて行きたいところ」となります。
 
僕がいま行きたい日本は?と聞かれたら
 
①北海道 知床半島 温泉は羅臼岳にある「岩尾別温泉」 
日本最東端の温泉 
宿は「ホテル地の涯」 
武田泰淳の小説「ひかりごけ」を読んで以来のあこがれの場所です。
ヒグマや鹿が住む原始の森から、
知床半島の断崖を経て、オホーツクに滝となだれ込む知の果て
(知床はアイヌ語で“シリエトク”地の果てるところの意味です)。
露天は谷の斜面に、岩は自然と苔にむし、周囲は原生林…
そんなところです。行くとしたら夏ですね。
 
②秋田 乳頭温泉 宿は「鶴の湯」 

全国温泉人気投票で何度もNo1と…
有名な温泉で休日昼間は、
立ち寄り湯のお客で風情もないらしいのですが、
平日や夜は別世界らしい。

素朴な湯治場に何気なく顔を出し、
乳白色の露天に浸かり、枯れススキに月を眺める…
じゅるじゅるな感じですね。
 










③石川 よしヶ浦温泉 能登半島の最北端。
ここへはローカルな七尾線でトコトコ行きたい。
終着の蛸島駅からさらにバスで30分。
さらに歩いて15分…泊まりは「ランプの宿」。
海にせり出す露天風呂は日本海の荒波がしぶきとなって降りかかる。
ここは飯もうまいらしい、蟹の季節に行かねばならぬと…ああ恋しい。
 
 
…この調子で行くと 鹿児島までチョイスしていたら…
夜が明けてしまいますし、
遠くてと二の足踏まれる方には参考にならないので 
僕が行ったことがあり、東京から比較的近く、お勧めを2つばかり…
 
 
○山形県 白布温泉 

西吾妻山の麓、天元台にあります。
鎌倉以来の開湯、上杉家歴代の定宿ですから、
歴史のある温泉場です。風格ある茅葺屋根の宿が多いです。
また坂道に連なる数件のおみやげやさんがとってもよいです。
浴衣に下駄で。

◆ロケーション5 
◆宿の雰囲気 5 
◆ごはん   5 
◆おもてなし 5 
◆お湯    3 
 
中屋が定宿でしたが 残念なことに数年前に焼失(別館の不動閣は営業中) 
その近くにある東屋さん 西屋さんは同じテイストの宿ですので大丈夫。
秋に最適、雪が降る前に福島から檜原湖から
西吾妻スカイバレーでエントリーすると紅葉が絶景です。
帰りは米沢に抜け、米沢牛とたまこんにゃく。
 
○静岡 修善寺温泉 「あさば」 

小説失楽園にも登場する有名旅館です。 
奥には「薪能の舞台」があり、
舞台のない日を選べば比較的安いです。
ここは好きな異性と行くには最適な宿です。
夜に池を挟んで、ライトアップされた能の舞台を
眺めるというのは、そうそうない景色。
僕は、男2人で行ったのですが、
銀座のママさんにさんざんコケにされました(笑)
また、修善寺というのは、
桂川のほとりにほっこりと切り取ったような場所で、
軒を連ねた遊技場や定食屋さんは昭和の風景。
散歩にもお勧め。
でもやはりいちばんは“食事” 
僕は、温泉でこれほどうまい飯を初めてたべました。

黒米のあなご寿司!! 
朝積みのいちご!!… 
はあ~最高です。

◆ロケーション 5 
◆宿の雰囲気  5 
ごはん    7  !! 
◆おもてなし  4 
◆お湯     3

箱根の高いばかりの宿に比べたらぜんぜんよいです。 
やはり伊豆は中伊豆を実感します。
 
最近、箱根、伊豆近辺には、コンセプチャルな温泉宿が乱立していますが、
結果、どこもそこそこ…
ひっつかかるポイントもないまま、なんとなくおしゃれ…
「浴衣選べます」「秋のきのこづくし」「お食事は部屋出しで」
「レイトチェックアウト」…だまされては駄目です。
ほんとうによいところはやはり違います。
値段ではなくすべてが。

近場お勧めもまだまだありますから、
お気軽にお問い合わせください。

気にしないで…お勧めが趣味ですから(笑)
 
 
 
 

知らずに死ねるか VOL.5

投稿日時:2008/09/16(火) 22:50

「ボールのない甲子園 と 知ら死ね少々…」

毎年、夏に注目している“甲子園”があります。
といっても、野球ではありません。全国高校文化部の熱き闘い。

ひとつは俳人の町、愛媛松山で開催される「俳句甲子園」
もうひとつは、北海道大雪山国立公園一帯で行われる「写真甲子園」です。

 簡単に説明すると、俳句甲子園(以下俳句)の方は、
地方予選を勝ち上がった5人1組が、与えられた兼題をテーマに、
俳諧の句合わせを行うというもので、
8月19日(俳句の日)に全国大会が行われます。
初めは愛媛県内の9つの高校で始まったものが、
今では全国27の都道府県で予選を行うまでの規模に膨れ上がりました。
一方の写真甲子園(以下写真)の方は、毎年7月開催、
全国8ブロックから選出された3人1組が2日間の本戦を戦い頂点を決めるというもの。
ともに、チームの単位は高校です。

「俳句や写真で…戦うって?」
勝敗の明らかなスポーツとは違い、
どちらとも戦いには不向きなのではと思われますが、
それがこの甲子園の面白さでもあります。
もちろん専門家や識者が審査員となり最終の優劣を決めるのですが、
たとえば、俳句の場合、句合わせに面白みがあります。

お互いが句を発表しあった後に、数分間の質疑応答タイムが設けられていて、
自句が「いかに素晴らしいか」
また、「相手の句がいかに不出来であるか」をディベートし合い、
これも勝敗を分ける重要な要素となるのです。
たとえば 今年の決勝。愛媛 愛光高校と東京開成の試合では、

 ◆ 髪洗う散文的な男です (愛光)
の句に対して、
「散文的というと、だらだらとしてという印象でしかない、
それを男と言い切ることに意味があるとは思えない。不明確ではないか」(開成)
「いやいや、そこを理解してもらわないと困る。
高校生が毎朝当たり前のように身だしなみを整える光景、
ふと顔をあげるとそこに間抜けな自分の顔が…そこを自虐的に…」(愛光)
などという感じであります。

また、

 ◆行間の明るき文や小鳥来る (開成)
の句に対しては、
「その本の面白さを、小鳥来るで表現している意図はわかるが、
明るいというニュアンスはあえて入れ込む必要があったのか?」(愛光)
「読んでいる筆者の想いがまず、明るいにあらわされている…
ここが重要なのです」(開成)

※このあたり僕も細かいやりとりは忘れましたが…
まあこんな感じということです。
念のため。

などと、どうでもいい人が聞いたら、
まったくどうでもいい議論が展開されるのですが、
高校生侮りがたし、プレゼンのうまい奴はものすごくうまくて、
「こいつは文学教授か!」と、思わず突っ込みたくなるような喋りを
朗々と謳いあげる輩もいて、なかなか見ごたえがあります。
今年の決勝は、対戦両校とも男子5人組でしたが、
もちろん女子5人組などもいらして、
そんな相手と対戦すると、ニキビ面の男子たちが相手を意識して、
しどろもどろに…
なんて光景は微笑ましい一興。

写真の方は、2日間とも、決められた時間内に、決められたフィールド
(といっても、東川・美瑛・富良野町一帯ですから、相当の広さ)を
カメラ片手に走り回り、ひとつの「組み写真」を仕上げるというものですが、
決勝では、壇上で自分たちの作品をスクリーンに映し、
その企画意図をプレゼンするわけです。
北海道の大自然だけではなく、そこに働く人たちの横顔やあるものすべてを対象に、
ひとつのテーマを決めて創作、
その上でのプレゼンは、初めて訪れた北海道についての素直な感想や、
感じたことを詩や手紙形式にして発表したり…またこれもさまざま。
NHKで毎年ドキュメントとして放送してくれますと、
3人がそれぞれにフィールドを駆け回り、
撮影に奮闘する有様や、その後、撮影した写真、
数百点から組み写真に仕上げるために絞り込んでゆく過程などが描かれていて、
その真剣さにひかれます。

今年の優勝は「新潟県立柏崎常盤高校」男女の混成チームでした。
プレゼンの様子は放送されませんでしたが、優勝を決めた組の写真はもちろん、
予選でのエントリー作品と本戦でのファースト作品いずれも、
チカラを感じさせる出来で、感心いたしました。
(ネットで見る事ができます:
ブログ用に1枚拝借、転載させていただきましたが、趣旨ご理解ご容赦を)



俳句、写真以外にも、ブラスバンドや合唱やボイパ、
書道やロボコンやダンス…といわゆる一般的な、
スポーツ競技ではないところでの高校生の戦いはいっぱいあります。
僕などはチームでなにかを目指した経験がないので、
これくらいの年の“あやうい人間関係”が生み出すパワーは、まぶしいくて、
うらやましくて、ついつい見入ってしまいます。 
別に将来がどのこうのではなく、みんなで何かを目指す…
そういうことを始めようとする子供に育ってくれれば、人生面白いなあ…と思います。
最近、幼稚園から高校生までの新しい友人が どんどん増えてゆくので(笑)、
そのお父さん、お母さんに向けて。


このまま終わるのもなんなんで、文化の秋賛歌…いま、お勧めの小説などを少々。

◆◆◆ 「羊の目」著:伊集院静 文言春秋社 ◆◆◆

「乳房」 「受け月」と過去に読ませていただき、
ああ…この人は現代作家の中では、いちばん文章がうまい方だなあ…
と感嘆致しました。
今回の「羊の目」も、まったく感嘆! 
どちらかといえば、男子向きの作品ですので、万人にどうか…
はございますが、まあ…面白い。
これを読むまでは、伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」
上半期NO1かなあ…などと思っておりましたが、逆転です。
僕などが評するのは恥ずかしいので、思うことを2つ。
「やはり才のある方に経験が積み重ねられると、
言葉ひとつ、状況描写ひとつに重みがあるなあ」ということ。
もうひとつは、「1年に何作も書かれている作家さんは、
どしても作品ごとにムラがあったり、
その作風が故、飽きてしまい、もしくは飽きないような“趣向”がまた、
作品そのものの質を落とすことにつながるので、
ほんとうに良い物を生み出すののは
“本人が書きたい時に書きたいテーマで”が一番!ということです。
※作品の内容を知りたい方はご検索を。


◆◆◆ 著:和田竜 「のぼうの城」小学館 / 「忍びの国」新潮社














両作品とも、キャラクターが半端ではなく立っています。
戦国ものはあまり読まないのですが、
文献を参照にした史実をベースに、その中味を解きほぐし、
人物設定をして、物語を構成する術は、相当な手練れと
お見受けつかまつりました。
まるで映画を観ているような感覚になります。
エンターテイメントとして大人が楽しみたい作風ですから、
じゃんじゃん発表して欲しいです。ついてゆきます。
※こちらも内容は検索で…

ただ、書評での判断は無駄ですね。
最後まで読まないと、分からないと思います。
この2作品の素晴らしさは。
…でも基本、ジェットコースター系ですから、
読み始めたら早いですよラストまでが。
史実をベースにしていますから、時代考証のところに躓いても、
我慢してください。
そのうち一挙にくだり始めますから。

ブログ…何番だっけ?(笑)

投稿日時:2008/09/09(火) 01:37

最近よく聞かれます。

● 「外泊中は…ちゃんと食べているの?」

食べていますよ。夏はそうめんやお蕎麦ばかりでしたが、
涼しくなってからは、土鍋でお米炊いて、味噌汁作ってます。
コンビニの出来合いの惣菜が苦手なので、ちょこちょこっと
プラスアルファ。自分だけの為に手をかけた食事は、さすがに
作りませんが、口に入ればなんでも…というのは苦手なので、
思いつきのレベルでちょこちょこと。洗い物が面倒くさいので、
ひとつの鍋やフライパンで済むものを。

昨日は、冬瓜炊きました。
皮が堅いので往生しましたが…まぁこんな感じです。
美味かったか…って? 僕を誰だと思っているのですか(笑)

でも、誰かと食べる方が断然美味しいですね食事は。

● 「お酒は飲んでよいの?」

はいもちろん。ただ、もともと独りではあまり飲みません。
…食事の際に軽く…寝酒で一杯という程度です。
寝酒はアエラ系のシングルモルト。
「正露丸の味」とよく言われますが…大きなお世話です。
焼酎は飲みません。
“アテ”はこんな感じ…枝豆を茹で、熱いうちに豆を漬け汁
(ナンプラーと日本酒を合わせたもの)に浸し冷蔵庫に、
七味とゴマを振って食べます。爪楊枝でちびちび刺しながら

…(笑)これが最高です。

●「外出はできるのか?」

白血球がある程度あれば平気です。
ただアップダウンのある場所や人がわさわさといる場所は、
脚が辛いので避けてます。

最近は、ご自宅に招かれることが多いです。
長いことお付き合いがあっても、
奥さんやお子さんとは初対面ですから、
いろいろ会間見え、むちゃくちゃ楽しいです。
突然の来訪者、しかも父さんの友人なんて…挨拶もそこそこに
自分の部屋に…なんてことなんだろうと、勝手に想像していまし
たが、越谷の楓子と陸の姉弟からは、モノポリーの対戦挑まれましたし、
川崎の和君は、自分の部屋でピアノのミニリサイタルを披露してくれました。

よい友人には、よい細君とよい子供…そういうことがうらやましいです。

●「仕事はしないの?」

早く社会復帰したくて、うずうずしているというのが本音ですが…
やはり体調と治療の都合で、思うに任せません。
それでも、なにか皆さんに、日常で恩返しをしたいと常に考えています。

そんな折り、今回ご支援頂いている岩田さんから、「頭を貸してくれ」
などと優しい声掛けを頂き、たまに貸し出してなどいます。
あの岩田さんが自転車に乗り、自宅にやって来て、
ああじやない…こうじやない…と。
打ち合わせをしながら、さび付いていない自分の“能力”を確認できたりすると
嬉しくなります。
ただ、果たして僕が役にたっているのか(笑)…
僕が楽しんでいるだけのような気がしますが。

「空いた時間…出来る範囲で協力を」とお声を頂ければ…
カスまで絞り出すつもりです。

◆◆◆
  サイトの最新トピックス『お知らせボード』に
 「現在の治療状況」のご報告を上げて頂いています。

 ご覧になった方は、ご心配頂いているのだろうなぁ…と気になり、
 生活臭漂う日常を連ねてみました。お見苦しく…うそぶいた文章ですいません。

 こんなだから、事務局も「もんやに書かせずに、正確にご報告を」と
 ライターのSさんに依頼して書いていただいたと思われます。

 僕は大丈夫です。事実はどうあれ…いまちゃんとこうして生きていますから。

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