紋谷のソコヂカラ ブログテーマ:病気について

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天命を知る…か?

投稿日時:2011/11/28(月) 09:00

だいたい15年で、
自分なりに学問の基礎を
確立してしまった人の言葉ですから、
まあ比べても仕方ない
わけなのですが、

40歳にしてなお、
惑ってばかりいた自分が、
どこまで …

たとえば“人の道のなんたるかを
知り得たのか?”…

などと自問してみると、
 
これが意外と 

「まあ だいたい人生とは
  こういうことなのではないか」

と、自分なりに答えがあるように思う。
 
ほほお~
 
天命と言うほどのものではなく 
神さんが僕に期待していることがあって、
その期待にあまりに応えないものだから 

“汝に罰をくだす”

みたいなことを感じるのも、
オカルティックな意味でなく、
“知る”って範疇にはいるのだと思う。
 
出来てもいないのに…
おこがましいのですが、
点数をつけると50点くらいで、
もっと努力しなさい。
と言われている 

そう言われている気がしてならない。
 
FBなどしてみると、
知り合いの日常の行動や考え方が、
ポンポン飛び込んできて、
なんとなく眺めているだけでも、
 
「ああ 他人はどうしてこんなに
    真面目なんだろう」

と思う。
 
もちろん中には、
どこにいるか? 
なにをしているか? 

だけじゃなく 
だから何が言いたいの? 

言葉足りないよ とか、
ユーチューブの動画やら
他のリンクのシェアを 
ペコペコ送るのは
いかがなものかと
思わないのか? 

とか
 
誰かに 見てもらいたい 
聞いてもらいたいのなら 
そういうしつらえにして欲しい 
と思う“ポンポン”も
多くあるのですが、
 
そういうものにも慣れてしまうと 
他人と自分の興味関心の
違いみたいなことに、
数多く気づかされる。
 
そして、これは意外に
自分を発見することに
役に立ったりする。
 
「ああ 自分はどうしてこんなに
 不真面目なのだろう」
 
罰と言うのは 病気の再発のことで、
その罰のせいで 生き方や考え方が
変わったのは確かで、またその罰のせいで
少しは自分に厳しくなれたわけで、
だからこそ不真面目な自分を再認識している。
 
ただ、よし真面目にひたむきに
目の前のことを一歩一歩と考えたくても、 
病気と言う罰のせいで 
考えられないじゃないか!?
 
…というのも、紛れもない事実で 
この矛盾は思いのほか 
やっかいです。
 
 
もう少しで誕生日ということと、
先日の検査結果が思わしくないせいで、
こんなことを書いている。
 
 
CT画像では、肺の腫瘍は大きくなっている
感じのヤツもあれば、変わらないヤツもあったり…で
 
1ヶ月半前のレントゲン画像と比べて
それほどの違いはなかった。

 
 咳がひどいので  
 もっと気管支を圧迫しているのか
 と思いましたが、
 画像ではそこまでは分からず
 

今回の血液検査の結果は遅れに遅れた。
聞けば 値が高すぎて
データーが取れないので、
試薬を大幅に薄めて
再検査している 
という。
 
 
3時間近く待たされ 
もう次回にしましょう…と
会計に向かっていたら 

「もんやさ~ん 出ましたよお~」と
看護師さんが走ってやってきて、
 
そのあと主治医も外来の部屋から
追っかけてやってきて…
廊下で立ちながら結果を聞くことに。
 
 
AFP値:▼151000
 
先日、クスリが効いたと報告でき、
主治医が喜んだのもつかの間 
1か月半で…3倍以上の値。
 
…過去最悪に近い、
この結果というのはなんなのだろう。
 
なんだか検査が間違っているのではないか…
と疑ってしまう。
 
 
 
2年前に主治医は 
今年の誕生日は乗り越えましょう…と言い、
その目標のクリアー目前にして、
尋常ではないマーカー値が出るに至り
目前の目標クリアーを喜ぶ間もなく…
暗い顔になっている…
なんとも申し訳ない。
 
立話しの主旨は…

「来年がんばれるか?」 ということ。
 
 
 
頑張れるかは 

文字通りそいういうことで 
いよいよ…

そういうことを主治医は
示唆しているのでした…。
 
 
もう、夕方5時を回り、外来へと続く廊下には
誰もおらず、肌寒く静かな少し暗い廊下で…
こういう話と言うのも妙に沁みる感じで。
 
いかんいかん、主治医が暗ければ、
こちらが元気を出さねば…と 
まあなるようにしかならない
と思ってますし、

なにかあればすぐ来ますから…
などと、笑って応えるのでした。
 
僕の主治医は とても真面目な方で 

「完治が無理なら、薬漬けで寝たきりの人生を
 選択するのはお勧めしない」

と以前から言いながら、
 
実際に、僕がいよいよ こういうことになると、
心配で仕方がない…という顔をしてくれる。
 
 
「いい報告ができなくて、
 有効な手立てを提示できずに
 すいません」

とも言う。
 
癌治療の最前線にいる医師だからこそ、
マヒする感情もあるように思うが、
際の際での本音に…

なんというか魂の宿る感じがして、
そういう主治医でよかったと思う。
 
みなさんにも謝らなければと思います。
 
悪い話は、ほんとうは、報告したくないのです。
 
負けているとおもえば、少し勝ったりして 

よしと思えば、やっぱりまた負けていて…
 
それも、完全に神さんのまな板の上の鯉 
でしかなく、僕の方から、
事態の改善に向けて努力するとか…

なにも出来ないのです。
 
 
とにかく来年も こういう感じに 
いろいろありながらもとにかく進めばよろし 
なのですが それを願うしかない…

ということです。
 
 
次の検査は来年の2月終わりに予約したので、
それまでに容態の急変がなければ 
この手の報告はいたしません 

しばし忘れてください。
 
◇◇◇

今年は 映画をあまり
観ることができていません。 
恒例のアロハ坊主さんとの対談 
いかがなるか…。
 
 
今年 面白かった
(今年のコンテンツと言う訳でもなく
 僕が今年知ったというだけのことで
 恐縮ですが)
エンタメを少しづつ紹介しておきます
 
 
 
歳は若いが東大卒のご住職の言葉が、
なかなかすごいと聞いた。
 
WEBでも あるいは口頭でも
「とにかく自分を理解して欲しい」
という自分語りにうんざり。
 
自分が 自分がという
「自分濃度を濃くすればするほど」
ガツガツとしたもの欲しそうな雰囲気が漂う。
 
それには威厳がなく、
チンケで 他人から安く見られる… 

「自分濃度を薄めなさい。
 そうすれば立ち居振る舞いは美しくなる」
 
こんな風にしてはじまる彼のエッセイ
(説法か)をどう受け止めるか…

ただ FBのことでも触れましたが 
「自分濃度」を薄める
ことは、その人の品位に通じる
とはわたくしも思います。
 
 
 
 
賞を獲ったときから気になっていた漫画…
すごいの評判ばかり聞いていて…
やっと読み始めた
 
絵の下手さとグロさは「寄生獣」の趣き 
しかしその設定が面白い 
ストーリィーも面白い 

想像越えてくれる展開 
緊張感がすごい怖い
これはやめられない。

ちなみにこれを原作に実写で映画化しようなどと 
思う人はいないし、できないが、
もし、してくれたら必ず観る。
 
 
 
 
これも映画にしたらどうだろうと 
考えてしまった。
ブラッケンハイマーあたりか。

アフリカ 日本 ワシントン 
…3つのストリィーがテレコで進む展開 
そのひとつひとつが面白いから…

それぞれ違う監督で撮るくらいの力量はいる。

こういうスケールの物語を書ける
作家が日本にいたんだ…
と素直に驚いた。
 

しぶとい

投稿日時:2011/10/07(金) 16:34

今日の採血室は、平和でした。

病院の駐車場への入り口は、
待ちの車の列で大渋滞だったので、
こちらも推して知るべしか…

と覚悟していたのですが、
待ちの人数も少なく 
順番もスムースに流れている様子。

朝から雨、どんよりした一日のはじまり…
憂鬱な水曜日です。

先週のことがありますから、
なんだか落ち着かない心持で、
検査にやってきたわけです。

待ちの人数が少ないから余計に目立つのか、
今日はどうみても20代前半の女性の患者さんがちらほら。

ここにいるということは、癌か、
もしくは癌の疑いがあるか、
そのいずれかであることは間違いなく、
そう思ってみると、20代前半で、
癌に悩まされて、大変だなあ~と考えてしまう。

どうみても70歳越えているじいさんは…
まあ、もうそんだけ生きたんだから 
癌にもなるし ひいひい言ってんじゃないよ 
俺たちの先輩だろ…とか 
思ったりしてしまうのですが、
若い子となるとやはり 
がんばれと小さい声で応援してしまう。

1か月ほど前だったか、
週刊現代に「治り難い癌」のような
タイトルの特集記事が載っていた。

ポピュラーな癌を男女別に分けて、
5年生存率でランキングを…
という仕立てで、それ以外に
口の中の癌とか、顔の癌とか
特異な癌をいくつもあげて、
その難治度をレポートしていた。

こういう記事を見ると思うのは、
「5年生存率」という切り口であります。 

つまり癌は “かかったと分かった時” の
衝撃が大きいから、その瞬間…

たとえば医者に “告知” されたその時に、
「こう受け止めればいいんだよ」的な
本や雑誌の記事が、相変わらず多いなあ~
と感じること。

精巣癌はこのランキングで…21位でした。

1位は「膵臓癌」…
これは、ご存じだと思いますが、
事前に見つかり難いので、
分かった時は “末期 ”であり、かつ、
有効な治療方法が確立されていないので…
末期なら…即、余命告知となります。

肺がん、胃癌、なども相変わらず上位。
21位の僕の癌にも、コメントがありました…

「抗がん剤がとてもよく効く癌で、
   発見されたのがステージⅥレベルでも、
  5年生存する可能性は70%~90%」

そう、僕もこの7~9割に入ったので、
よくわかります。

主治医は

「もんやさん末期ですが、
    この癌は抗がん剤入れて闘う価値がありますよ」 
と確かに言われました…
16年前。

それでも、11年経ち再発し、
その後順番に抗がん剤のセットを試し、
マーカー値が上がったり下がったり、
また完治した2週間後に再発したり、

「癌とうまく付き合う方法」なんてとも違い、
“レアもの”であることは間違いなく、
“レアもの”が故に価値はなく(治験にならない)ので、
週刊現代に取り上げられることもないわけで… 

5年生存率なぁ~ ふっ… 
って感じなわけなのです。


今日の採血室には
もうひとつ新しい発見がありました。

「とてつもない美人看護師が
 採血する看護師に登場したのです」

僕が通い始めて4年以上の
この採血ルーム始まって以来の珍事です。

どれくらい美人かといえば
“鼻頭の上までマスクで覆っていても"、
 それとわかるほどの美しさ”なのです。

そんな馬鹿な…マスクしていたらわかんないじゃん…
そう、僕もそう思ってましたが、違うのです。

本当の美人は、マスク関係ない…
マスクをしていても、分かってしまう。
それが本当の美人…はじめて知りました。

彼女が動くだけで、空気が変わる、匂い立つ…
それほどのオーラを醸し出しています。

こういうことを言うと、

「もんやさあ~  俺は、真面目に
    あんたのことを心配しているんだよ。
    それなのにさ、何が、美人だよ~
    ふざけんじゃないよ」

とか、…怒られ…てもいい、

それでも、ひと言、
言わないわけにはいかないほど…
それほどの美人なのです。

はっきり言って、彼女に会うために、
ここに採血しにくるべきです…
と言い切りたい。

「で、なに?
    その看護師さんに採血された?
    …とかそういうことなのか」

違います。
僕の場合、それとこれとはぜんぜん違います。

まだ、若い彼女は、
採血ルームのベテラン看護師さんより、
明らかに技量は劣る様子、
動けば匂いは立ちますが、
ぎこちなさは歴然で…

みんなのサポートを受けながら、
真摯に取り組んでいる感じ…

これまで、採血 注射 点滴…と
針を刺されまくっている僕は、
針を刺すことが下手くそな
看護師さんに悩まされてきたので、
彼女のような看護師さんに、
腕に針を刺されるのは 
「まっぴらごめん」であります。

「どうか…彼女にあたりませんように…」

1人ずれてセーフでした。 

彼女は、先に僕の隣のおっさんの腕と…
案の定、格闘しています。

「痛い…ですか?
 あっ…ごめんなさい

 痛い?…すいません
 いったん抜きますね…」

ひょえ~やはりであります。

それに引き換えこちらの看護師さんは 
ぜんぜん匂いは立ちませんが 
お見事な針さばき…

あっという間に終わりました。

出来ない拍手を心で打ちます。

美人は損ですね。
必要以上に注目を集めてしまうから、
うまくいかないことも目立ってしまう…
健闘を祈りましょう。


■■■

「!もんやさん 
    …下がりましたよ!!」

こんな嬉しそうに話す、
主治医の先生を…はじめて見ました。

▽46,990

みてください 
この急降下する直線。



「…考えられることは、
    抗がん剤が効いて、大きな癌細胞を壊して
   その成分が出て、いったん大きく
    マーカー値が上がったのでしょう
 …よかった」

ほとんど期待していなかったので、
びっくりしました。

ただ、あんだけというかまだ副作用が苦しいのに…
それまでして 効かないどころか
上がっているというのは、
もう世に中的に不条理すぎて勘弁してくれ 

…という思いの塊でしたから 
…なんというか 肩すかしな感じ。

先週の
「おいおい癌細胞君…君には慈悲の心が…」
あれが効いてのでしょうか(笑)

…お願いしてみるものです。

しかし、僕のマーカー値を4年前から 
横に並べて、ずーっと検証すると面白いだろうな~と 
この急降下をみて改めて思います。

値に左右されないといつも思うのですが…
人間というものは 

いや 自分が…でしょうが、
弱い人間なんだなあと思いますし、
上がったり下がったり、
なんだか、おもちゃにされているようで

…妙な気分です。


「…もんやさん…しぶといわ」

と主治医の先生…

“しぶとい” は、医学用語なのでしょうか先生? 

レアケースの意地見ちゃいましたね…
本音ですね。

ということで、
また寿命は少し延びました。

ただ、あくまで数値が下がって、
癌を少し抑えたということです。 

大きく大笑いはできません。

あと、心配した骨髄抑制が
それほどでなかったというのも、
よい兆候です。

身体が強いぞ 紋谷税 ってことです。 

まだ入れられる 
そして効く可能性がある。 

そういうことがわかって嬉しいです。

「効果がない 具合が悪い 」 

…そんなブログばかり 
読ませてしまい 
まことにすいません。

まだ副作用は続いていて、
調子は戻りませんが 
僕は元気なので 
心配しないでください。


帰りぎわに 

「先生 お好きだそうですね」

と1冊の本をプレゼント

「退院した時に
 お渡ししようと思っていたのですが
    忘れてしまい…」

“3-4-3”    著:杉山茂樹




学生時代サッカーをされていて、
いまも子どものサッカーチームの審判をしている 
…と聞いたのは

今回、入院している時に病棟の看護師さんから… 
ちょうど この本を読み終えたばかりだったので、
差し上げようと。

杉山茂樹さん…

金子さんと並び、日本代表への批判が目立つライターさんですが、
僕はサッカー評論家&ライターとしては
もっとも認めております。

戦術解説がわかりやすい…くだらんOBではなく、
テレビのサッカー解説にぜ呼んでほしい…
とかなり以前から思っています。

サッカーが、心底好きな人以外には、
難しい本ですので、薦めませんが、
先生は  “3度の飯より”  のクチと
お伺いしましたので ぜひ。

…ということで 
そこから外来の診察室は 
サッカー談議の場へと…。

4時過ぎで、
もう外来患者がいない時間でもあり、
先生も激務の中の息抜きな感じで…

楽しい時間を過ごしました。

これも、効果があったおかげでありましょう。

勝てないのなら引き分けに…
いやいや守るのではなく勝ちにゆく  

治療もそうありたいと思ってはいるのですが…。

ではまた。

渡る世間は…本日最終回

投稿日時:2011/09/29(木) 16:43

「渡る世間は…本日最終回」
 …だそうであります。 

放送開始が1990年。以来、10シリーズまで、
1シリーズだいたい50話のペースで作られ
最終回が500話目?

…なんだかそんな感じのようです。
 
…あれ? 
1シリーズ50話って、50週ってことだから… 

ええ!? 
1シリーズ始まると…
1年中やっているってことになるのですが 

…そうなんでしたか? 
 
20年で10シリーズということは、2年に1度 
1年間ずっとやっているドラマ 
ってことですか?
 
そんなに長いこと頻繁に放送されていたのですか? 
みなさんは常識でしたか? 

僕は、「1回も観たことがないのです」
 
もちろんチャンネルを替えたその一瞬に… 
チラリと食堂らしきセットで
泉ピン子さんとえなり君が会話している
映像は何度か観た記憶はありますし、
そこが食堂ではなく「幸楽」という
中華料理屋さんだということも、
いつかどこか、なにかの拍子に
記憶には入っているのですが 

…とにかく物語の筋も人物の関係も
なにもかも、まったく知りません。
 
別に、ああいうドラマの設定が嫌いとか 
役者さんが苦手だとか 
…そういうことでもないのです。

橋田さんや石井さんにも偏見はございません。
…がしかし、それでも 
それだけ頻繁に放送されていたのに、
1度たりとも観たことがなかったというのが、
なんというか驚いています。
 
 
「“…卓造じゃあ~ねえよ!”
 って、キレる
 …誰でしたか あの~お笑いの…?」 
 
「うーん…なんだっけ?………
 なんとか あい?」
 
「はるな…あい? じゃなくて …?あれ?
 なんだっけ?
 あのガリガリの相方のコンビは…うーん?」
 
「うーん 顔は出る 顔は出るんだけど
 名前は思い出せない…それがどうしたの?」
 
「あのお笑いの娘にそっくりじゃありませんか
    …あの娘?」
 
「えっ? どの娘?」
 
…と見るとその娘さんは
 
その “なんとかあい”に 似ているというよりは、
なんと角野卓造に瓜二つなのでした。
 
「…いや むしろ なんとかあい は
 どうでもよくて あの娘はもう卓造だと思われます」
 
「…ああ!!そうかぁ
 僕はその卓造って役者さんの顔が逆に分からなくて…
 テレビで “じゃあ~ねえよ!”ってどや顔する
    あのお笑いの人しか知らなくて
 …で、あの娘さんみたら似ているなって…
 ねえもんやさん あの娘に 
    TBSのドラマに出ていませんでしたか?
 って聞いてみてもいいですか?」
 
「いいわけ ないでしょ ダメです」
 
 
つまり その、なんの罪もない娘さんをAとすると  
 
         角野卓造 ≧ なんとかあい ≧ A  
 
ではなくて
 
        角野卓造 ≧ A
 
という事実を僕は目撃したことで 
証明してしまったのです。
 
 
実際に なんとかあい に似ている 
ってままであれば まだ幸せだったかもしれないのに… 
僕と会話した友人とその娘さんは
いつかまた再会する可能性があるので、
その時に思わず言ってしまわないか 
ドキドキしています。 

ちなみに 声…声も卓造そのままなのです 
その娘。
 
本日 最終回だそうで 思い出しました。
 
 
◆◆◆
 
「入院します ~経過 ご報告します」
 とお伝えした手前ではありますが 

どうにもこうにも 
にっちもさっちもで 

どう報告したらよいのか困ります。
 
入院期間は9日間で、3種類の抗がん剤を 
このセットで決められた順番で
ほかの副作用止めの薬剤と併用しながら
点滴で毎日投与しました。 

朝9時~夕方7時30分の10時間。
 
最初の3日間は、わりとダメージもなかったのですが 
4日目くらいから 薬も溜まってくるのでしょう…

倦怠感 悪寒 発熱

が出始め 顕著だったのは足の関節、筋肉、神経が痺れて 
激痛が走り、夜まったく寝られない日が何日か続いたこと、
(これは、退院した今では、痛みから痺れに変わり
    後遺症となったようです)

また後半は、胸やわき腹の筋肉が
痙攣(こむら返り)を起して、
一時的に呼吸が出来なくなってしまったり
(これは退院してもなんどか起こりました)と 

今までにない副作用がひどくて 
このあたりは主治医に伝えても 
いまひとつピンときていないようで、
痛み止めを処方してもらう以外に
手立てはなく辛かったです。
 
それでもなんでも薬は入れ終わり 
その時点で白血球は落ちていないため 
予定通りいったん退院

※普通の患者さんはそのまま経過観察で入院
なのですが、僕の場合はいつものことで 
1週間後の外来を予約して自宅に戻りました

ちなみにこの時点でのAFP:88000 
入院時よりわずかに下がっている値です
 
退院しても もちろん 
倦怠感 悪寒 は続いているのですが、 
2日目くらいから熱が出始めます 

毎日1度は39℃近くまで
 
喉から脳天にかけて熱い熱の棒がささっている感じ 
全身の節々がギリギリ痛む 
まあそんな感じです。
 
朝、起きて熱が下がらないようなら病院へと 
思うと 朝には平熱近くに戻っているので 
また 氷枕と冷えピタシートで寝ていますと 
夕方くらいからまた熱は上がり始め…  

この繰り返しを5日間くらいローテーションしました。
 
ほかに 過ぎてしまえば些細な症状があれやこれや 
人の身体というものは 細かくいじれば 
まあ痛むところがさまざま出てくるものだと、
ほんとうに改めて感心します。
 
1週間後の朝… 目覚めると

 「あっ … 抜けた」 

という感じ。 

投薬後のおきまりの倦怠感と 
発熱からくるだるさがなくなっていました。
 
当日は検査の日 
癌センターの採血室はパニックでした。 

院内のシステムがトラブル起こしているようで 
採血室に患者データが届いてこないらしく 
100人以上の  じじばばで  溢れかえっております。 

これは先にレントゲンだと 採血の受付だけ済ませて 
3階のレントゲン室に戻ってみても 
採血室のパニックは続いています。 
 
「このまま待っていてコンピューターは直るのか
 直らないのか そこを教えなさい!!」
 
「ひまじゃあ ないんだ ぞ 」
 
「…しょうがないじゃん そんなこといっても
 こんぴゅーた がきてないんだから
 ほんとにあなたは せっかちなんだから

 だから こんぴゅーたがきてないの !!」
 
「直る努力はしている? そうはみえないんだが」
 
「あなた どこいくの? せんせいのとこ?

 せんせいのとこもう1回行っても
 しかたないじゃない

 ねえ あなた!!」
 
「だから いそがしいのに 病院きているんだよ
 ひまじゃないんだよ」
 
「データが こないなら 
    外来で手書きでカルテ書いて

 メモでもいいから
 こっちに届けさせれば
    いいんじゃないんですか?」
 
 
↑ 左右からこんな会話が大声で 
採血のスタッフを捕まえては 

はい左のご夫婦 右のおじいさん 向かいのおっさん 
ってな感じで … 

思えば 誰かが言い始めると 
もう 俺もワタシも じいさんもばあさんも 

一丸となっての攻撃です。
 
冷静なスタッフの対応の内容からわかったのは 
昨日までに、本日の採血の予約をしている
患者のデーターは 
採血室に届いているため問題はないということ 

つまり この 待たされて文句を言っている 
じじばば軍団は 今朝の外来を終えて 
採血の指示が出てその足で ここに来ていて
 
システムトラブルのせいで採血が遅れ 
後から来た患者さん
(昨日までに採血の予約を入れている)
に順番を飛ばされまくり 
相当に頭にきている状態だということです。
 
その人数およそ60人… 

そして僕のまわりは 
その殺気立ったじじばばだらけであり、
僕は普通に予約が成立しているので、
おそらく ほどなくして呼ばれるわけで 

…そうなると あっ!? 呼ばれた
 
血を抜かれている最中も 
後ろから刺すような視線 
裏切り者を許さないというその視線を 

じじばばの怨念を 
これほど感じたことはなく 
ほうほうの体で 
さっさと逃げ出したのでした。
 
いったん自宅に帰り 念のため体温を計るも 
ほぼ平熱 

やはり 先生のみたてより
骨髄抑制の山場は早かったようです。
 
午後4時も近くなると 
病院は朝の喧騒とは一変しています。
 
採血室を覗いてみると
もうほとんど人はいません、
あのじじばばさんたちも無事に採血を終え、
お帰りになられたようでなによりです。
 
 
 
「うーん どう判断してよいのか 迷いますね」
 
AFP: 153,690ng/ml
 
0901時点で 96,000  
0922退院時で 88,000



 
抗がん剤を投与後 今までであれば効果が出始めてくる 

よし どこまで下がってきたのか 
期待するそのタイミングでこの数値というのは 

…ちょっと呆然としてしまうというか 

とまあ これが 冒頭の 
どうにもこうにも報告し難い 
ということなのです。
 
3月時点で43000 
それが半年で倍強になっている… 
まあそれが順当だとして 
ここにきて1週間で9万が15万に!?
 
本当だとすると 
おいおいちょっと癌細胞君 
調子に乗りすぎていないか? 
と言いたい。
 
入院する心構えに 
苦行に挑むつもりとはいったけれでも、
もう苦行は乗り越えたので 
その先にはせめて

1杯の美味しい水を施そうという 

そういう慈悲の心はないのかね君はと。
 
「うーん どう判断して…」は主治医の言葉です。
 
大きな細胞が壊れてその数値が一時的に出たのか?  
投薬直後に一時的に大きく数値が上がることがあるが
そのタイミングではない気がするし? 

投薬そのものが逆に作用した…
ないわけではないが考えにくい? 

ここまで数値があがると、
その上がり方の法則性はなくなり、
大きな上昇の流れの1点の自然の推移か?
 
とまあ ぜんぜんまったくさっぱりわからない。
 
レントゲンでは、肺の腫瘍の大きさは 

うーん 変わってないか 
少し小さくなっているか?
 
いずれにしろ この数値の大きさほどの変化はない。
 
… もやもや いらいら 

とするばかりでしたかないので 
また来週 検査にくることになりました。
 
ということで また次回も 
おなじような話となります 
ご容赦くださいませ。
 
多くは望みません 平穏な採血室を。 
 
あのじじばばの多くは 
「渡る世間を…」を楽しみに観ていたのだろうなあ~ 
などと思ってみたりする。

14日水曜日から 入院します

投稿日時:2011/09/11(日) 19:53

9月1日に 半年ぶりの検査をしました。
 
CTと血液検査 お決まりのパターン。
 
春先から なにかと咳き込むことが多く 
血痰も見られるので 
そろそろ気管支を圧迫してきたなあ 
などと思っていましたが、
 
肺の腫瘍は 半年前の3倍くらいの大きさになっていました。


 
 
左右の肺に都合3か所ある腫瘍の、それぞれが3倍になってますから 
全体的にはかなりの面積を占めてきています。
 
AFP値:96,736 
 
「2万だ3万だ 大変だ!」などと
右往左往していた頃は、なんだったのか!?…と 
ひとりで、乗り突っ込みをしてしまいます。
 
それでいて、ほかの内臓への転移は一切見られず 
血液のデータもまことに正常 
おかしいところはこれといってないのです。
 
相変わらず 肺の中だけで僕の癌細胞は増殖し 
原発巣はすでにない以上 
この肺の中の腫瘍を叩くことが出来れば、
完治までは無理としても、
体調の改善と延命は可能になります。
 
ということで、抗がん剤を入れるのですが
 
最近まで続けていた「NI」ではなく 
「TIP」というセットを試してみることにしました。
 
これはまったく新しいセットというわけではなく 
以前、試みた「TIN」というセットの変化バージョンです。
 
  僕の癌の場合 まずは投与される「PEB」の次に位置するセットで 
欧米では「TIN」よりこちらの方がポピュラーらしいです。
 
とはいえ ざっくり半分くらいは、
一度(いや何度も)も試したものと 
同じ成分のセットですから 
まあ 劇的な効果は初めから期待できません。
 
3年前に 7,000あったマーカー値が20に落ち 
そこで下げ止まり クスリを変更 
正常値まで引き下げたのが「TIN」というセットです。

その2週間後には、また異常値にあがってしまい 
そこでこのクスリも打ち切られたという過去を持ちます。
 
投与期間は8日間 
最近の「NI」が1日半で入れ切る…
短期的に血中濃度を高める薬に比べ 
少し長いタームで投与します。
 
まあ、その分辛いです。 

また振り返れば副作用も
いちばんきつかったセットで 
相変わらずの手足のしびれの元凶はこのセットでした。
 
辛い分 効いてくれれば報われるのですが、 
それとは別な感情の方が強いです。
 
面白いもので なんというか僕の場合
すでに修行の境地ともいえまして、
普段の不摂生や不誠実?さに対する
贖罪に臨む気分なのです。
 
いつもごめんなさい。 
調子に乗っていてすいません。

こんな僕に罰を …という気分。
 
だから、薬が効いて欲しい…という希望とは別にして、
当然にして受けるべき苦行だと、
どこかで真面目に感じているのです。
 
へんな感情ですが そうでも思わないと
耐えられないという身体と
心の反応なのかもしれませんし、
やはり、どこか世間に申し訳ないと
思いながら生きているのです…
僕は…どうも。
 
 
投与後の「骨髄機能の回復」、
こちらは純粋に気になります。 

そろそろ余談は許さないのではと思っています。
 
癌そのものの脅威より 抗がん剤の副作用で
廃人になるのだけは勘弁して欲しいと 
常々、思っていますが…
 
…これも、実際に入れてみないことには
分からないというのが、まことに困ります。 
 
危険度合いが高いことが、
事前に分かるなら、抗がん剤は入れないです。
 
しかし、現状の血液データーはAFP値を除けば、
健常者と変わりませんから、
投与したても、持ちこたえられる状態と、
信じるしかないです。
 
抗がん剤を入れ終わり 
経過がわかりましたら 
ご報告します。
 
※入院期間は、電話 
メールともご返信が遅れます 

ご容赦ください。

明日から、また抗がん剤を入れることになりました

投稿日時:2011/02/14(月) 23:36


昨年の10月段階の選択は、
上がり続ける がんマーカー値を前に、
“継続の効果”を期待して、免疫療法の次のSTEPに
チャレンジするか、いったん抗がん剤で、
癌の活性を抑えることを優先するのか…
 
この二者択一を迫られて、
結局 免疫療法を選びました。
 
免疫療法によって、僕のリンパ球が活性して、
癌の増殖を食い止めることが出来たなら、
これほどよいことはなく
大いに期待してのチャレンジでしたが…
 
1クールを終え 年明けの検査結果では 
… 「効果なし」 

残念な結果となりました。
 
といっても、目に見える効果 
=マーカー値を下げる 
ということに効果がなかっただけで、
実際にリンパの注入は 
僕の体によい効果をもたらしているのでは
と思っています。
 
体の基礎代謝が強くできているらしいことは
以前もお話しましたが、それでも 
ここまで癌が活性していて目立った症状がでない
ということはチャレンジした
免疫療法が関係していると感じています。
 
もし、リンパ球療法をしていなかったなら
もっと症状が出てきていたのかもしれません。
 
比べていないのでわからないからといって
目に見えない効果だからといって 侮ることはできません。
 
免疫療法ののクリニックでの検査では、
現在AFP(マーカー)の値は “53000” 
間をおかず、癌センターでもCTと血液検査をしまして
そちらの検査ではAFP値 “51000” 
両肺にあった腫瘍は倍くらいの大きさになっています。
 
※2000の差は検査の仕方やタイミングでの誤差です
 
ただ、幸いなことに 他の臓器への転移をはじめ
相変わらず残っている首リンパ部の腫瘍に
目立った変化は見られません。
 
これは以前にも書いたことですが、
少なくともここまでの経緯を見ると
「僕の癌の活性は 肺の腫瘍の大きさがもたらしている」
と見てとれます。
 
つまりマーカー値=肺の腫瘍という“感じ”なのです。
実際はそんなに単純なものではなく
患者本人がわかりやすく受け止めたいが故に、
目に見えることで理解しているだけのことかもしれませんが、
それでも素人なりに治療への期待を込めて解釈すると

「肺の腫瘍を小さくできれば
 癌の活性を抑えたことになるのでは」

と思うのです。
 
大局に立てば些細なことのようで 
実際に病気に対する本人としては 
こういう理解が大切で 
この理解が目標となり
 戦う気持ちにつながります。
 
単純なようでこの目標を持てる
ということは大きいことで
目標がないまま 
つらい抗がん剤治療を続けている患者を思えば
とても幸せなことでもあります。
 
抗がん剤はNI 
…昨年まで入れていたものと同様のセットです。
 

山は3つ あります。 
 
●まず 
久しぶりの投薬での副作用が心配
 
●次に 
ここまで活性している癌の進行を食い止められるか
 
●そして 
うまいこと効いたとして 
その効果…どこまで持続できるか
 
この3点です。
 

もちろん 真ん中の山がいちばん重要なのでして、 
 「久しぶりだから効くのか」
「敵が大きすぎて 効かないのか」
 
このあたりは入れてみなければわかりません。
 
悲しいことをいえば、
今回の抗がん剤が効かないとなると 
 
「いよいよ覚悟」の局面です。
 

そんなこと言っても 
もんやの場合はなんだかんだ大丈夫なんじゃないの?
 
はい はい そのつもりですが 
その なんだかんだ 
がいろいろ大変なのです
 
まあ なんだかんだあったりするのが 
人の道ということはわかってはいても、
 
“なにが なんだ”で、

“どこが かんだ”か わからない 

というのは 怖いですね。
 
バーナード ショウは“死ぬ間際に” 
こう言ったそうです
 

「もたもたしてたら、こうなることは分かっていた」 
 

そして、昨年、ザッケ ローニは遠藤に

 
「日本は無駄なパスが多すぎる」

…と、
 
時代もフィールドも、国も、立場も職業も違う 
ふたりからの教訓はようするに同じ事です。
 
 
寒いとか 雪だとか  
あいつがアホだとか 
時間がないだとか 
言っていないで
 
みんな頑張りましょう 

ぼくも 頑張ります。
 
 
では、行ってまいります。
 

次回は 
「副作用に苦しむ姿を自虐的にユーモアを交えて
 ご紹介できるくらいであれば、よし」
 
 
 
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