紋谷のソコヂカラ

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同種免疫療法[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/11/11(木) 22:05

細胞が出来る場所…“胸腺”

まだ、未熟な細胞の段階で感作させようと、

この胸腺に向けての免疫療法が始まりました。

といっても、なにか特別な治療を施すということでなく、
20分寝ている間に点滴を入れる 
というだけのことです。

副作用のきつい抗がん剤治療から比べれば、
負担はまったくありません。

ただ、この治療は、まだまだ治験レベルといってよい段階
個体の差をどのレベルでカバレッジできるのか、
完全に解明されているとはいえません。

感作させるための、分離には、
許認可されたもの以外の、試薬も使用します。

実験に近い要素もたぶんにあるのです。

前回の免疫療法で、
「大人に成長してからでは、影響を受けない」と、
その“頑固さ”にお墨付きをもらった、
わがリンパ球軍団。

点滴後10日~2週間を経て、未熟な細胞が、
大人の活性Tリンパになった段階で、
どれほどの効力を発揮してくれるかは、

…未知数です。

点滴は2週間に1度
4回に分けて行いますから、
1クール終わるのが年末です。

まあ、なんだかんだで、1月の中旬には、
なにがしかの結果が出てくると思われます。

癌センターの方とも併せ相談はしていまして、
1月の末にCTと血液検査の予約を入れ、
その結果次第で2月頭から抗がん剤投与
と段取りをつけています。

なにしろ、すでにマーカー値は3万を越えました。

癌センターの主治医は、

「もんやさんの場合は、
 癌細胞が増えやすい体質ですねえ」
 
などと、のんきなことを言っていますが、

これも、異常な症状が出ていないからこその発言、
ここだけみればまことにラッキーな体です。 

…あくまで、今のところですが。


免疫の治療を受けるクリニックは、原宿にあります。

原宿も原宿 

表も表 

…竹下通りにあるのです。

久しぶりの観光名所は、
ギャル ギャル 外人 

ギャル ギャル 

またギャル♪…

です。



その脇で、免疫の先端医療の話を
伺っているのは、なんだかへんな感じです。


「癌細胞は、突然変異した細胞だから、
 細胞の表面にあきらかに違うマークがあって、
 リンパ達はこれを目印に攻撃するんだけれど、
 中には、表面のマークを、細胞の中に隠すヤツ
 サープレッサ(Tリンパの動きを抑制するリンパ球)を纏い、
 リンパの攻撃を避けるヤツ 
 そういうずる賢さを身につける癌細胞もある。

 こうなると、T細胞には見わけが
 つかなかったりして攻撃が出来ない。
 そこで、たとえマークを隠しても
 異物であることを認識して攻撃する
 (なんでもバクバク食べるという方が正確かも)
 NK細胞の資質を持ったT細胞…

 “NKT細胞”を送り込むということを考えている。
 …でも、まだまだこちらは試験管レベルでの話しですが…」

なんて話を「ふむふむ」なんて、
聞いていたりする。

もう取材している感じですね。
自分のことなのに、取材モードに切り替えると、
気楽に質問も出来てしまいます。

研究者のお話しは、

「ご本人は熟知されていることですが」

…素人には耳になじんでいないことばかり、

こういう話を読んでもらっても、

「TだNKだ、胸腺だ感作だ …とか言われてもね」

…ですよね。


いつか 誰かの、なにかの役に立てばと
…あえて書いています。

そして、なるべく正確に書こうと思うのですが、
わかりやすくする過程で、多少はアバウトであり、
多少はズレているかもしれません。

そういう個所は、分かった時点で
訂正しますので、ご勘弁ください。

そもそも、こういう先端医療を受けられること自体、
恵まれた話し、治験のモルモットにも
どんどんしてくださいってなもんですし、
そこで知りえたことは、他の方にも
どんどん伝えてゆきたいと思っています。

自分の人生観をひけらかすのは、
格好悪いと思う人間ですが、
この際、ひとことだけ言うなら、

「自分が、回りの人たちの為に、
 なにも出来ないのなら…生きていても意味はない」
 
と本気で思っています。

人生は、他人の記憶に宿るのみ
…と考えて疑わない人間です。

僕と関わって、悪かった 
…をなるべくなくし、 

意味があったと思ってもらいたい
それが僕の生きる意味です。

…と偉そうにいっても、
お力になれる要素は、範囲は、手段は、コンテンツは
…限りなく狭い(笑)

ボランティア精神に溢れてもいませんし、
愛国心や環境問題を声高に叫ぶタイプでもなく、
もちろん大金持ちでもなく、ステイタスもしょぼいし、
政府高官にネットワークがあるわけでもありません。 

必然、スケールは小さいです。

まあ、それでも、
出来ることはあると信じているわけです。


いま、高校生の男子の
家庭教師を頼まれています。

といっても、単純に偏差値をあげてください
…という話しではなく、

「生きるチカラ」を少しでも
宿らせて欲しいというオーダー。

彼は、ある出来事で、挫折をしてから、
まったく覇気をなくした 

友達もいない 
なにをしたいのか? 
がぜんぜん見えない…
という母親からのSOSです。

なんじゃ そりゃ ? 

なんですが、
とにかく一度、会ってみようと思っています。

母親の視点がすべてはないでしょうし、
高校生といえば、もういち人格者です。

彼なりの美学やポリシーがあるのかもしれません。

伝えきれていないだけなのかもしれません。

二十歳過ぎたらチャンチャン
…なんて、笑い話しの類かもしれません。

ただ、今は、“デリケートな生き物”には違いない
と思っているので、そこのところ、
慎重に接してあげないと。

関わるかどうかは まだわかりませんが 
するならば 僕自身も“正面から向き合ったなぁ…”
と実感を持ちたいです。

…機会は自らつくり出し…[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/10/14(木) 10:01

「…もう…あの頃の、
 もんやさんのやり方じゃ通用しないですよ」

などと言われた。 

以前、働いていた会社がいま、
どんな風なのかという会話をしていた流れで。

僕自身は、別段、“その会社の今” を
肯定も否定もするつもりはなかったのですが、
彼には、当時の僕がよほど、“好き勝手”していた…
と受け止めていたようで、
思うに任せない彼自身の現状と相まっての
ご指摘であったように思う。

半分は納得…半分はカチン! …ときた。

決して、ルールを無視して
好きなことをしていたわけではなく、
あくまでも原則的なルールは遵守しつつ、
どうやって面倒から逃れ、

要するに売上と利益に貢献しているという
具体的な実績をあげていれば、
会社からは文句がでないことを見越して、
自分にとっては意味のないことから逃れるか…

いやいや、意味のあることだけをしていられるか…
ということに専念していただけなのです(笑)。

これでも、いろいろと使わない気を使っていたのだから、
まるっと“好き勝手”と評されては 困る。

しかし、この指摘の胆は、
僕がどうのこうのよりもっと大きなこと… 

「自らの意志がない」

「ルールしか守れない」

そういうその会社の組織人を
揶揄する気持ちが彼の中にあることであって、

「そういう相手と仕事としていても、
   なんだかなあ…って感じること多いんだよね」という、
ため息をつきたかったのであるから、

むしろ「もんやさんと仕事していた、あの頃は楽しかったな~」
と言っているわけで、うんうんと頷いていればよい、
という話であります。

…では、今の時代、仕事を楽しんではならないか、
というとそうではなく、楽しんで仕事をしたいか 
と言われれば そうに違いない。

いや、もしかしたら 
楽しいという基準が 
もう大きくズレテいるのかもしれないが…。

原価管理を徹底する。対内外ルールを先鋭化して整備する 
ここまでは当たり前である。

やはり、根本は運営にある。

役職は増えるが権限が減る 
ここで、責任の所在を明確にできる“功”が、
個人の裁量(度量)を減らす“罪”に勝ればよいのでありますが、
リスク管理からいえば、個人の裁量は抑え込みたい、
必然、仕事の幅は減り、器量や度量なるものも
比例して摩耗してゆく。

「いいんじゃん 言われたことをしていれば」 
…とこれが 楽しい仕事と言われれば致し方ない。

「自ら機会をつくりだし、
 チャレンジしている人間は大勢いる」 

今の世だから“出来にくい”かもしれないが、
“やろうとすれば道はある”

それはあなたが、会社人ではないからだよ 

…本当にそうなのだろうか。

僕が組織人をしていた頃にも、 
言われたまま子ちゃんは大勢いたし、 
好きなことしかやらない君より 
数はだいぶん勝っていた。

そうそう、好きなことしかやらない君は、
言われたまま子ちゃんが 
いなければ生きていけないのでした。 

好きなことばかりしている奴しかいない
組織なんて存在しないのだから 
甘えていたのですね つまり。 


◇◇◇


半期が終了して 
「会社の売り上げ報告と下半期の見通し発表の会」
をやるので出席して欲しいと言われた。
僕が、リーダーの育成に塾長として
関わらせていただいている会社から。

そこで、社員の前で 
ライブトークをすることになった。 

テーマは、「働くチカラ」。

平たく言えば、 
「昔 我々はどうして、がむしゃらに仕事をしていたのか?」 
なんてことを好き勝手に話し合い、
そのままを見せて感じてもらおうという企画です。

簡単な懇親会を挟んで、会議室が暗くなり 
手作りののれんの下に簡単なカウンター 
新橋のスナックという設定。



社長に加え ゲストは僕ともうひとり、
求人広告関連の会社の社長H氏であります。
3人とも以前は同じ会社にいて、
社長とH氏は同期です。

場内に我々の自己紹介がスピーチされ 
3人が登場 スナックならではの小芝居を挟んで 
おもむろにトークは始まる。

内容は、簡単なアウトラインはあるもののほぼアドリブ。
「 知らない時代のおやじ連中の、昔はよかったなあ~」
というありがちな内容を
今を戦っている社員たちに 
いかに心に残る話として聴かせるか 
かんたんな様で以外に難しい。 

普通に話せば 専門用語が多すぎて 
まるで伝わらないから そこんとこ 
行き過ぎるタイミングではさえぎり、
注釈など交えた。

以前の会社での日常には、
どんなモチベーションがあったのか?
逃げ出したくなる場面では、どう対処したのか…
などなど、

また、H氏の会社では 
近年、かなりの規模でリストラをせねばならなくて、
そのあたりの厳しさと、結果、黒字化してゆく背景を 
社長の立場で語ってくれた。

そもそもこの企画は、社長が社員との会話で

「ワタシの、この会社での存在価値がわかりません」

と言われたことから生まれた。

…これを、なんとも情けない発言
…と受け止めてはいけない。

この社員は、自問しているのです。 
自分は会社に貢献しているのか? 
また、貢献するためにはどうしたらよいのか? 

まことに純粋に前向きな発言だと思う。 
そうであるならば、なにかヒントを与えねば 
ということになったのです。

事前のアウトラインでは、この発言を受けて 
「自分の存在価値」に関してのなにがしかの答えを
僕が話すことになっていたのだが
時間がなくなってしまい話せなかった。 

ここで言うことにする 

「 それは 自分で つくる もの だよ」 


◇◇◇

はい。 本題。



免疫療法が1クール終わりまして 
検査結果が出ましたので報告させてください。

以前、おらが村の…で、
「悪さをする輩(癌細胞)をやっつける細胞はあるのに、
見つける役がさぼっている」
と説明したと思います。 

今回の治療では 他人の活性したリンパ球を 
段階的に投与して、このさぼり細胞をやる気にさせる
というのが大きな目的でした。

結論から言うと 
残念ながら思うような効果は得られずでした。

「CD3 HLA PR」 

これが正式な名称 
…通称「Tリンパ球」です。

みなさんの体にもあるこのリンパ球 
基準値は4.8~23.5 
…ああ 数字はいいですね 

そもそも僕のTリンパ球
…基準数値内にはあったのですが、
癌細胞が増殖している僕にはもっと必要。

そこで、 新たに外部から助っ人を入れ込んだわけですが、
単純に数を純増させるのではなく 
送り込んだリンパ球が 僕のTリンパに刺激を与えて
やる気にさせる。そのための傭兵です。

しかし、結果は僕の、そもそものTリンパが感応しない。 
やる気にならないのです。

困ったものです。 
言われたまま子ちゃん以前の問題… 
無能社員です。

自ら機会を作り出せよ です。 

存在価値を示せよ です。

実はかなりショックです。 

冷静なようで がっかりしています。

しかし、クリニックの担当医S先生
(写真があるのですが 公表は控えます)は 
新たな手を紹介してくれました。

「…もんやさんのTリンパが感応しない理由は、
 もう大人の血液の状態だからと考えてみてください。

 体内を流れる血液は、もんやさんの性格から
 改心しないのです。

 性格を形作るのは骨髄の中にある“造血幹細胞”なのですが、
 これは採血では3/1000しか得られない。
 
 だから確率的にはどうしても低くなる。

 それでも、血管への投与でも感応する方は
 もちろんいるのですが、もんやさんの場合は、
 それでは足りないということです」


「血液は骨髄でつくられるのですが 
 その後、胸腺でその性格が決められます。 
 小学校みたいなもんですね。
 この学校の授業で、はい癌は敵ですよ。
 リンパ君、見つけたらやっつけなきゃダメですよ。
 と教育されるわけです。」

「だから 胸腺という学校の段階で、もっと教え込む。
 ここで 癌は敵 ちゃんと見つけなさい! とね」

つまり、ちゃんと学んでいない生徒が大人になっている。 
その大人に、今から新しい教科を勉強させようとしても
言うことを聞かない。

だから、これからの子供たちをターゲットに 
小学校に立ち戻りそこで教育する。

ということです。

理論的にはわかりやすいのですが、
ことはそう簡単ではないようで、

樹上細胞療法のひとつでもある
この治療法…現在では、まだまだ治験段階 

免疫でも最先端の領域らしく、
簡単には出来ないようです。

ということで、来週にかけて
S先生とこの治療を紹介いただいた
九州のT先生で相談してくれて 
どうするか決めていただくことになりました。

僕としては、出来ることならチャレンジしたいのですが 
こればかりはS先生とT先生のご指示を待ちたいと思います。


また決まりましたら ご報告させてください。

時代は変わっても 
場所が会社組織でも 
体の中のミクロの決死圏でも  
大切なのは 

「自己啓発~やる気」 

おんなじって話です。

もんやヶ村の平和…[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/07/14(水) 12:45

この村では…
男たちは狩りにでかけ 
女たちは畑仕事をして留守を守る。

村の平和は受け継がれてきた掟と 
村人自身による自浄努力でなりたっている。

貧しいながらも慎ましく平和な村。

そこに悪童が生まれる。 
祟り神の差し向けた悪魔の子。

成長するとともにしたい放題。 
畑を荒らし、人の家に盗みに入り、火をつける。

喧嘩をしては村人を脅し、しまいには徒党を組んで、
村を自分のものにしようと企む。

「ぐふぁぐふぁ!!この村は俺たちのもんじゃ。
 金目のモノと女どもを差し出せえ!!」

「悪童!オマエという奴は! 
 育ててもらった恩を忘れたか!」

「恩だと? 
 ぐふぁぐふぁ!!そんなものかけらもないわ!
 がたがた言うとたたっ切るぞ!」

ズバッ!! 

~きゃ~あああ あなた~ 

オギャぁ オギャぁ~

もう勘弁ならんと村人も黙ってはいない。
おらが村を守らんと悪童どもに戦いを挑む。

… さてこの村の平和は どうなるのか 乞うご期待!!


この村でのこんな出来事は 人間の体では毎日起っている。

骨髄でつくられる赤血球は、血液中に流れ出て、
肺で受け取った酸素を体内に運び 
不要となった二酸化炭素を運び出す 
生活の基本を司る女たち。

他にも、血管壁に傷がついたり出血した時に、
傷口をふさぎ止血してくれる娘もいて、
これが血小板。

かたや男たちは、体内に侵入した細菌や異物(癌細胞)に
対抗し病気の進行を抑制する。

そして、この血球ファミリーの結束とやる気が 
体を悪童から守っている。

だから健康な体は、毎日この悪童たちとの
戦いに勝利している。


もんやヶ村の平和を診ていただいた。


場所は原宿竹下通りど真ん中にある原宿クリニック。



2週間前に血液と尿を差し出していて、
今日はその結果を伺いにきた。

まず、驚いたのは僕の血液データが一冊のファイルで、
30ページにもわたり詳細に分析されていることでです。

しかも、イラスト図解入り。 



アルファベットと数字のデータ報告に慣れている
僕にはまことに新鮮で、しかもよく分かる。

たとえば 
「今回のあなたの赤血球」のページでは 
正常~扁平~奇形~いが状など血球の形がイラスト化されていて、
もんやの赤血球は「楕円」のところにチェックがされている。

大 中 小 とある血球の大きさは 小。

染色性(トリパンブルーという染色液に浸す 
→ 中味がスカスカだと染色できない 
→機能を果たしていない 
→逆に濃すぎると
→これも障害で脳卒中のような症状を起こす)は正色素性 
なのだそうで、そういうことが一目で分かる。

白血球にもさまざまな種類があることがわかり、
自分の白血球はどの型のタイプが多いか、一目瞭然。

異型リンパや骨髄球、後骨髄球などはそれ自体が
たとえ1%でも存在すると 
大変なことらしく幸いにしてなかった。

血球のみならず肝臓機能、肝炎ウイルスの検査結果  
腎臓に関する血液検査 
脂質の代謝や 
もちろん腫瘍マーカーまで、

どうしてここまで必要かと言えば 
答えは簡単 … 

「そもそも、もんやヶ村は悪童に立ち向かう
 “基礎能力”があるか?」
ここを診てもらっているのであります。

血球ファミリーの体力があるか否かはもちろん、 
血液の量の調節や解毒、代謝機能まで管轄する 
肝臓さま(村の長老)の状態、
体内の老廃物をろ過し尿をつくる
腎臓さま(おばあたち)の状態 

…悪童どもを蹴散らすにはこういう
村全体の機能が正常であることが重要なのです。

ちなみに、もんやの村の長老は「しわしわ型」だそうで 
おばあたちは「くたびれモード」と診断されました。

体液のバランスは悪くない→芯は丈夫  

糖尿病などの疑いもなければ 
脂質も善玉→ 血液もよく巡り、
ゴミ捨て能力も高い

ということも分かり、
村としては十分に基礎能力がある
ということが分かりました。

これは以前から疑問でした

「癌マーカーは相当に高いのに、
 自覚症状がまだ出ていないのは…なぜ?」

という疑問にも応えてくれていて、
代謝や体力、血球や栄養、肝機能や腎機能など、
そもそもの基本的な体の機能が、
もんやは強くできている そうなのです。

ありがとう 母さん なのです。

組織学的な悪性度は
癌の進行には関係ないということです。

よかった。 

ここで挫折するようなら 
つまり守る価値のない村もしくは、
そもそも「悪童に滅ぼされる宿命を持った村」
ということにもなりかねない。

そして、いよいよ本丸…リンパ球。
もんやの免疫機能は、どれくらいの
「やる気があるのか?」という話しです。

リンパ球と一口にいっても、
細胞それぞれの役割はさまざまで、

たとえばB細胞(抗体兵器)は病原体の侵入を防いだり
病原体を破壊する助けをしたりするのですが、
その成分をもっと詳しく見れば、

「粘膜を感染から防御する局所免疫のA君」もいれば、
「防衛ラインを補体すC4君」なんてのもいて、
相対的な彼らの量や質が重要であったり、

攻めを司るT細胞にしても、
「癌を見分ける力を持つ“スーパーT”」の数が重要であったり、
病原体や不要細胞をバクバク食べる
NK(ナチュラルキラー)細胞が
どれだけ活性しているかが重要であったり 
と かなり複雑です。

結論だけ言うと
もんやのNK細胞はけっこうある 
→ 戦う戦力はある 

しかし、Tリンパ球が少ないため
「見分けるチカラ」が弱いのだそうであります。

まあ、平たく言えば、中途半端に見分けている
 
雑! 

やる気がない! 

…そういうこと。


いくら、そもそもの村の機能が健全で 
悪童軍団を退治できる村の若い衆も揃っているのに 

「悪童が来たぞ!!」
「そこにいるぞ!!」

という見張りが怠けている

かなり平たく言うと 
これがもんやの村の実情なのです。

…ということで、
もんやの村では長老の家で毎晩 
話し合いが続きました。

「どうすんべ」

「見張り役ったって、悪童のやつら、
 見た目はオレ達とかわんね…
 いつの間にか近くにいるんだわ」

「若い衆も 相手が分かんないから疲れてきてるべ」

「そうだべそうだべ」

「いっそ、誰か助っ人を呼んでみちゃどうだろ」

「そいつはいい考えだべ そうすべそうすべ」

ということで、新しい免疫療法を始めることになりました。

今回の主目的は 
「自分のリンパ球のやる気や能力を活性させるために
 他人のリンパ球を注入する」ということです。

自身のリンパ球を取り出し、そこに抗体を認識させ、
体内に戻すという免疫療法に関しては、
以前、お話したと思いますが、

今回は、他人のリンパ球に
「僕の癌を認識させるマーカーをつけて」
体内に入れるというやり方になると思います。

順番としては、そもそもそんなに多くない
もんやのリンパの数をまず増やす
 → そこでの状態を見て
 → マーカーをつけたあらたなリンパ球を送り込む
という段取りです。

自身のリンパ球を信用していないわけではないのですが、
そもそも、もんやの癌は、僕自身が持つ
「抗がん免疫力(監視機能)…
 特に癌細胞を殺傷するリンパ球など」に打ち勝ち、
ここまで増殖しているわけですから、
僕自身になんらかの問題
(キラー活性を抑制あるいは妨害する因子)が
あるとすれば、いったん体内から出し、
教育して、また体内に戻しても 

まあなんというか、

いじめられっこのトラウマは消えないというか、
負け犬は負け犬というか 
そういうところは否めないわけで … 

であるならば せめて、よいお手本を
身近に置いてみましょうと
いう風にも言えるわけなのです。

ただ、思うに 
結局は 僕自身が日々つくりだしているリンパ 
そのリンパの機能が活性している状態が続かないと 
この治療も短期の回復をみました…
で終わってしまいます。

「勝ったのはおれたちではない…村人だ」と 

助っ人にいわせるくらいでないと 
意味はないのだと思います。

まあ とりあえず 

たのむぞ三船 
よろしく志村さん 

という感じで 
せっぱつまりながらも 
他力本願ながらも 
おらが村を立て直したい気持ちです。

また随時 ご報告させてください。

◆◆◆

私信

潔おにいちゃん ありがとうございます。 

前提条件は悪くないようなので、
あとは体内の勝負 気持ちでのエールを送りながら臨みます。
経過をみまして落ち着きましたら伺わせてください。 

楽しく呑みたいです。 もんや


ご報告を ふたつ[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/06/29(火) 01:05


まず、検査結果のご報告です。

今回、主治医と確認したいと思っていたことは以下の3点

①昨年1年間でAFP値(腫瘍マーカー)200→1200まで上昇、
その後、年末の治療で6000まで下がった
(…しか下がらなかったが適切か) 

昨年の上昇の度合いからみると 
半年で、2,30000 くらいにはなっていると思われるが、
僕自身が感じる症状に大きなものはみられない。なぜか? 
肺の腫瘍の進行度合いもあわせて、
そのあたりの因果関係を伺いたい。

②抗がん剤に関して 
同様にNI(先進治療)を投与する手にこだわらず、 
思い切ってはじめのクスリに戻してみるという選択はないのか?
明確なロジックはないが、そけい部の腫瘍に変化がないのは 
やはり悪玉(癌マーカーの数値をあげるもと)は
肺の腫瘍と思われる、
そちらに効くということを考えれば 
薬を戻すという選択も有効なのでは?

③「同種免疫療法(ミニ移植)」」という考えの 
免疫療法を聴いた、エビデンスも出てきているらしい 
このあたりの情報はご存じか?


→主治医のお応え

① ただいま現在のAFP値 1,5000 
肺の腫瘍は3→4cm 
新たにもうひとつ小さいものが増えた
確かに AFP値は高くなっているものの 
腫瘍は肺全体からみればまだ小さい、
今の段階で体の異常を感じるほどではないのだと思われる。
数値にリンクして大きくなるとはいえ、
そのリンクの度合いはさまざま、 
少しの腫瘍で大きく悪さをするものもあれば、
そうでないものもある、
今後はなんともいえないが、
現段階では症状を引き起こすことに
直接関係していないということに思う。

② なんともいえない。
もんやさんの場合は、もう現状の医学では
「未知の領域」まで来ていますから、
なににしろ絶対はない。

③ 知らない。
チャレンジしてみるのはよいことなのでは。


このような感じでした。

病気の進行は、ある意味予想の範囲で、
それに対する対処方法は 僕が決めるしかない。 
ということです。

③に関しては 専門の先生にお話を聴けることになり、
さっそく行ってまいります。
その上で新しい免疫療法が受けられるようなら
トライしてみるつもりです。
その後、抗がん剤(どのクスリにするかは未定です)を
投与しようかと思っています。

ということで、相変わらず、
よい話をお聞かせできずにすいません。 
主治医をして未知の領域…でどう抗うか 
考えながら進みます。

もうひとつご報告

2008年 
前年からの治療を経て、いったん完治したものの、
またもや再発した病気と闘う もんやを
「応援」という形で このサイトを立ち上げていただきました。

その後の治療が先進医療の領域になること
併せて「免疫療法」を受けるという選択を 
ご理解いただき、そこへの資金の援助を募らせていただくという 
主旨でありました。 

まことに身勝手なお願いにも関わらず 
半年間で300万円に近いご支援を頂戴し、
1年間の治療に役立たせていただくことができました。 
ほんとうにありがとうございました。 

その半年は、実際無収入でありましたので、
皆様のご支援なくしては、満足な治療は望むことができず 
いまこうして生きているのもみなさんのおかげと心から思っています。 
ありがとうございました。

僕自身、治療を受けながら 感じていたことは 
「元気でいることをブログを通じてメッセージする」
なにより「完治を勝ち得て、早くご報告したい」ここだけでした。 
やはり、ご支援いただいた気持ちに応えるのは 

「治りました」このひとこと 
そして復活し恩返しすること と信じていました。

しかし、現状はさきほど書きましたように 
完治するでもなく 
すぐ死ぬわけでもなく 
… 誤解を恐れずに言えば、
中途半端な期間が続いています。

その都度の、検査結果に一喜一憂しながら 
気がつけば 2010年夏です。

治療自体も「完治」から「延命」にシフトし、
続けて抗がん剤を投与するという方法ではなくなり、
体内に入れたクスリの効果が切れれば、
日常生活も順調に出来るようになり、
仕事もポツポツと始めることができ、
みなさんに会う機会も格段に増えています。

そうした状況にも関わらず 
相変わらずサイト上で「ご支援募ります」
という文言が記されているのは 
おかしいことです。

これまた、誤解を恐れずに言うなら 
この文言がある以上、
みなさんと本音で語れない自分がいます。

「 あんたは病人なんだから 」と 
見られることはよいのです 
その上でご心配いただくことも、うれしい話、

でも、日常生活を普通に行い 
仕事も出来ているのに 
このご支援の文言は おかしい。

なんだか、いつまでも甘えているようでもあり、
現実と乖離してもいます。
とっとと 元気印を打ち出したいのに 
「治ってないので 報告もできない」 
このねじれをこの際に直したい。

お礼をのべさせていただいた上で 
外させていただきたいと思い 
あえてご報告する次第です。

サイト上、発起人のみなさまの直接のメッセージの中にも 
「ご支援をお願いする」文言がございますが、
こちらは、その気持を僕が忘れないという意味で、
原文ママ 残させていただきます ご容赦ください。 

本来は、こういう話は 僕本人の口からではなく 
事務局発信の事柄なのでしょうが、 
「僕個人に対するご支援」へのお礼とご報告ですから
僕自身で言うことにします。 

なにを大げさな…と思われる方もいらっしゃると思いますが、
ひとつのけじめとして ご容赦ください。
また、このご報告がいまさらになりましたのは、
特に他意はなく もんやの怠慢です。

重ねてごめんなさい。

「ご支援ありがとうございました」 
この気持ちは これからもずっと持っています。


…こんな風に書きますと 
「もんやは生きることを諦めたのか?」と思われてしまう


僅かに、そんな誤解を受ける気もしますので、
そうではないということを最後に。

サイトが立ち上がり 現在までの過程で 
支援していただいた友人がふたり 
ひとりは病気で もうひとりは交通事故で 
他界しました。

交通事故で亡くなったのは、
僕の古い友人の息子さん まだ中学生です。 

2年前に会ったときに、
「もんやのおじちゃん はい がんばって」
と五百円玉 一枚 手渡されました。

また、お父様 お母様を亡くされた方もいらっしゃいます。 

ご本人が「癌を告知された」という方も
僕が知る限りでおふたりいらっしゃいます。

聞き及んでいるだけで、これだけですから、
実際はもっといろいろな事件が…

僕が中途半端に生きている最中に 
ご支援いただいた方の身の上に 
いろいろなことが起っているのだと思います

そういう風に思いをはせますと 
自分自身に「甘えてるんじゃない!」 
と更に活をいれなければと思うのです。

別に、実際、甘えているわけでもないのですが… 
どちらかと言えば 

「もんやは もう元気」としてしまおう 

です。

背中にのぼりをたて、
そののぼりには
「もんや よろず相談 受付けます なんでもご用命を」と 

ご支援いただいた全員に、押し売りしたい気分なのです。

だから 生きることを諦めているわけではありません。 


ある人に言われました 
「人生 ななめに まっすぐ 生きるのだ」 

病気のせいでの中途半端は、ある意味幸せなこと、
よいではないか 

中途半端の中にしか 
感じられないことも多いと思っています。


甘くない[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/01/27(水) 20:05



本日の検査結果
 
マーカー数値は、約6000… 

肺の腫瘍は 表面積で2割減少でした。
 
主治医の顔を見た瞬間…
「あっ!これは思わしくないな」と感じましたが
(センセイ、この辺りは分かりやすいのです)、
やはりです。
 
正直言って、もう少し下がっているかと 
…期待していましたが…

正月の4日から3週間経過しての数値は、
ほぼ同じでした。
下げ止まりとみるしかありません。
 
腫瘍は「容積では半分くらいかなあ…」と
主治医が言うので、
ちょうどマーカー値も半分、腫瘍も半分 
それが今回の成果です。
 
「さがって、そのままならよいのでは?」 
 
黙っていれば、確実に上がるしかないので、
そういうわけにもいきません。
 
去年は二桁から始まった1年でしたが、 
今回は四桁スターとか!…と思うと
 
やはり心は、ザワザワとささくれだちます。
 
副作用で辛い思いをした割には…
とかそういう感情はなく、あれはあれで、
これはこれでと分けて考え、
単純に、薬を入れても、
もうこれしか落とせないのか?
という思いです。
 
しかし、こういう時こそ 
自分に向き合えです。

逆に、今回、もしマーカー値が
ズドーンと下がっていたとしたら、
僕の性格からして、調子こいてしまうでしょう。

「ほらね 俺はしぶといんだ 
  …だいじょうぶ だいじょうぶ」とかなんとか 
今年1年、へらへらとしていたでしょう。
 
ここで、「うーむ…」と唸り 
さて どう持ちなおすか、 
これが試されているのです。
 
…とかなんとか、こういうことを書きながら 
今、考えているのですぜ 

…病院からの帰りなんて、落ち込んでましたし、
親に検査結果の報告をするのも、
一呼吸、悩んでしまいましたし、
…こういう風に考えられるのは、
今、このブログを書きながらなのです。
 
その意味では、このブログは、まことにありがたいです。
 
皆さんには、3回連続の病気ネタで、申し訳なく思います 
シリーズ企画で、うまいこと“オチ”ればよかったのですが…
最終回で、このラストでは、なんだかなあ…ですね。

でも、シリーズは続きます。 

1より2の方が面白い…というのは…
なかなかにありませんが、ごくマレにはありますし、
もう僕の場合…シリーズ5くらい
続いているような気がしますから、

こうなれば、

「いいねえ…若いって」    byリリー 

まで続ける意気込みが大切かと
(わからない人にはさっぱりわからない)
 
 
今年1年は 正念場と考えています。
 
意味のないこと 
つまらないこと 
くだらないこと 
気持ちよくないこと 

は断固拒否の精神で参りたいと(笑)

反面、自分が関わることで 
よくなることは どんどん関わりたい 
また 場所や人にこだわってゆきたいとも思います。
 
男女問わず 年齢問わず 
いっしょに居て笑える人と過ごす時間が大切…
などとわがままに考えています。

そのためには、
「自分ってどうなの?」
「その相手、この場所的に…ボクは価値があるの?」
ってことにいつも目を向けていたいと…

漫然とせず、出来る限り厳しく、
自分で自分をジャッジしてゆくつもりでもあります。
 
胃もシモも白血球も 
完全に復活していますので 

ほら あなた! 

よろしくお付き合いください。

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