紋谷のソコヂカラ

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Facebook とMONEYBALL[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2011/11/14(月) 10:38

遅ればせながら FBを始めた。 
始めての感想は、もうすでに何年もの間、
十分に友達なのに、今さらその関係を
「承認」する
というのは甚だ抵抗を感じる。

これはみなそうなんだろうが、
承認して「ありがとう」などと言われると、
恐縮してしまう。
 
重ねて言うと、
「これ以上、知り合いを増やしたくはない」し
「知り合いが誰と友達になったとか
…言われても困る」
 
それでも、始めたのには理由があります。
 
いまから25年~30年前、
学生時代に渋谷のある場所で
同じ釜の飯を食った仲間と、
連絡を取りたいからです。
 
この時代は僕にとってとても
意味のある時間が流れていた。
…なんて思い返すことが多く、
 
当時の渋谷は、東京に出て来て2年目、
地に足がついた場所でもあります。
 
自分の人生にとって、
この期間は意味あるなあ~
と思い返すことありませんか?
 
高校時代までは、会おうと思えば会えるし

(まあ~思わないから、こういうコミュニティ
ツールが使われるわけなのですが、
一瞬の懐かしさの先になにがあるのか
…が重要なのでしょう)

探そうと思えば探せる範囲でもあります。
 
大学時代も然り、社会人になってから、
はじめの頃の人間関係は、
僕の場合は“希薄”なので、どうでもよい。
 
“本気で”会いたくて、
会えないZONEがこの5年間。
 
実名で検索すれば、FBで探せる…
とアドバイスされるのですが 
ルールとしてそれはすまい 
と思っています。
 
ルール? 
 
“自分を明かし、お越しいただくのを待つ。
自分からは探しにゆかない”
 
なぜかと言うと、
 
①    ニックネームは覚えていますが、実名が不明な人が多い…
フランケンさん 
むちゃく 
チーフ 
玉ちゃん 
兵衛門さん

…などなど

②    いらしてくれた時の感動を味わいたい

③    相手はもうつながりたくはない 

かもしれないから…
 
とくに②番…
いちばん大きな理由です。

広大な電脳世界で、どこかのだれかと、
どこかの誰かがつながり、
またつながり…

そしてもんやを発見して、やってくる

…ここにロマンを感じるわけであります。
(大笑)
 
とまあ…始めまして1週間なわけなのですが、
やはり聞くとやるのとでは大違いを感じます。
 
面白いなあ…と思う点は。
 
“相手の趣味、趣向がダイレクトに見える”という点で、
そこに関して  “いいね”  ならば、
そのまま深くコミュニケーションが出来るという点、
人によっては、

「そんなの、直に会って話せばよいじゃん」
なんて思うのでしょうが、
いやいやそうではないのです。
 
直に話すことなんて、機会は少ないのです。 
そもそも直に会う場合は、
会話は限られ、久しぶりに会おうものなら

「久しぶり なにしているの?」
だけで1時間くらい経ってしまい、
あっという間に
「じゃあまたね …」
でお開きになってしまう。
 
僕などは“薄い”やりとりが大嫌いなので、
そういう半端な会は極力、参加したくない。
 
FBで彼の近況や趣向でのやりとりをしていれば、
その後、直に会った時に 

「久しぶり~」なんて社交辞令の必要はなく、
もう、そのまま共通の会話に持ち込めたりするわけで、
その意味ではFBと実際を組み合わせることで、
深い人間関係が生まれるなあ~と感じました。
 
また、もう知り合い増やしたくない…
などと嘯きましたが、すでに 
感動の出会いもいくつかありまして、
ありがとうFBなのです。
 
あと、“発信すること”がうまい人、
下手な人…いるなあ…と。 

他人とのコミュニケーションがうまい人は、
やはりメッセージ性が高い。

これは、バーチャルでもリアルでも
同じことなんだなあ…と思いますし。
反面、普段、寡黙な人が、
饒舌にメッセージを発信しているのを拝見すると、
なんだ言いたいことがあるじゃん…
なんて再発見です。
 
知り合いが増えてくると 
ウォールが訳がわかんなくなってきますが、
みんなはどうしているのだろう?

まあ、好きに取捨選択しているのでしょうが… 
僕は不器用なので、情報がランダムに
数が増えてくると、処理できなくなってしまう。
 
能動的に主体的に関わる人には最適なのだろが、
僕などはどちらか…
ではなく完全に受動的なので…
まだ慣れません。
 
巨大な居酒屋で、
メガ合コンしている感じなのでしょうか?

主体的に相手を探しに席から席へと渡り歩く、
席と席はつながり、また離れ、
またつながる…

いろんな席でいろんなテーマが話されて
人が入ったり抜けたり、でも大切なルールは、
自分が何者なのか明らかにしていること…。
 
僕などは、知らない人と
つながりたくなどは決してありません。

たどり着いた町で知り得た情報をもとに、
知らない人とPARTYを組み、
町はずれの北の洞窟に巣くう、
魔人を倒して、ドラゴンの紋章の入った
指輪を手に入れる…
なんてことはできないのです。
 
かんたんに出来る人が、不思議でなりません。
 
◆◆◆
 
久しぶりによい映画を映画館で観た。
「MONEY BALL」


 

ブラッドピットの映画としては、
僕はいちばんよい出来なのではと思う。

アメリカ大リーグ、オークランドアスレチックス(A’s)の
若きGMの物語。
 
A’sの選手の年棒予算は4000万ドル…
なのに2億ドルの予算を持つ球団
(たとえばヤンキース)と対戦しなければならない。

…この不条理を「マネーボール理論」という
新しい取り組みで克服した男の話であります。
 
マネーボール理論がなんだかわからない人に 
かんたんにひと言で解説すると
数あるデータの中から、
勝利に結びつくものとそうでないものを峻別し、
使い分けること。

具体的には、
「打者は打率で評価しない、大切なことは出塁率。
    なぜならベースボールは、アウトを3つ奪われたら
    攻守が交代してしまう
    攻撃側は、いかに交代を遅らせるかが重要である」

「シングルヒットより長打が重要。
    塁を多く進めることが勝利への重要な要件である」
 
つまりマネーボール理論の強打者とは、
出塁率が高く、なおかつ長打力を兼ね備えている選手…
となる。

打率は、単にヒットを打った確率にすぎず、
出塁能力も長打の能力も示していない。
実際に、出塁率と長打能力は
チームの得点数といちばんの相関関係にある。
 
そしてマネーボール理論は同様の理屈で…
盗塁と犠打を否定する。
これは、アウトになる確率がある
プレーは選択すべきでないからと定義つける。
 
これが投手となると…
真の実力を計るには  “被安打”  は不確定な要素で排除する。
奪三振・与三振・被本塁打 
この3要素を軸とすべきとする。
 
つまりこの3要素こそ、
相手と自らの関係を決定づける要素だと
決めつけすことから始めているのです。

この理論の根底にあるものは
“主観に頼らない” ということ。

たとえば、
「3割の打者と2割7分5厘の打者を
    目で見て区別することは不可能。
    なにしろ、2週間にヒット1本の差しかない。
    事実、もし年間15試合観戦するとしたら、
    目の前でたまたま、2割7分5厘の打者が、
    3割打者より多くヒットを打つ確率は40%もある。
    優れた打者と平均的な打者の違いは、
    目には見えず、違いはデータの中だけにある」

という、これは当時のドラフトやスカウトが
「見栄えやイメージのよい選手を獲得すること」
に注力してきた球団の姿勢を
覆す際に多用した言葉だ。
 
「われわれはジーンズを売っているわけではない」
 
まあ、だからこの野球はつまらない…
僕にとっては。

走るなバントもするな四球を選べ 
と言っているわけで、僕の大好きな
高校野球などはその在り方を否定されてしまう。
 
しかし、ブラピは言うのです、

「結局、勝つこと、勝ち続けることでしか
 われわれの存在感はなく、
 勝ち続ければファンは評価してくれる」…と 

勝つためには手段を選ばないとも言える
このマネーボール理論のおかげで、
A’sはワールドシリーズこそ逃すが、
常勝軍団へと生まれ変わる。
 
この、勝てばなんでもよい理論は、
当時、球界からはつまらないと揶揄されたわけなのですが。

結局、今日メジャー全球団に最低一人は
データ分析のアナリストはいるわけで、
日本のプロ野球にも「データ野球」なる
言葉が生まれて久しいのも
ひも解けばこのあたりのわけなのです。
 
…ああ なんだか解説になってしまいました。 
ごめんなさい。
 
この理論はどうでもよかったのに… 

球団改革に苦悩するブラピがよいのです。
この映画、原作が原作だけに
(統計やデータ満載の本、ストーリーがない)
脚色は重要で、ソーシャルネットワーク(FBの話し)と
シンドラーのリストの脚本家がふたりがかりで、
シナリオにを仕立てているせいか、
「観る側に感じさせる」という
映画として素晴らしいできに思う。
 
ブラピを静かなる強い意志を持った主人公に
仕上げた出来栄えが、僕には秀逸に感じました。
 
A’sは来年日本でマリナーズと日本開幕戦やりますね。 
野球好きな人もそうでない人も楽しめます。

12人も怒れていたら 部屋が狭くて仕方ない[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2011/10/27(木) 16:28

ここのところ 
三谷幸喜がよくテレビに顔を出す。

新作映画の宣伝にここまで
やっきになるのは、前作からか。

監督した映画は…過去に4作品 
残念ながらどれも消化不良と思う。

東京サンシャインボーイズの舞台は、
たいてい観てきたから、
その違いは歴然と分かる。

映画では、尺が短い 

…のである。

最近では 東京芸術座の「ろくでなし啄木」 
藤原竜也 中村勘太郎 吹石一恵が抜群に面白かった。





























 
これまでのいちばんは? 
と聞かれると困る。

ジブリ作品のいちばんは? 
くらいに困る。

自身の舞台作品の映画化であり、
他人が監督している作品の中では、

「12人の優しい日本人」
1991年:中原俊監督
 






































 


これに勝るものはないと言いたい。

もとは米国TVドラマ「12人の怒れる男」がその原作にあたる。
有名にしたのは1957年 シドニー・ルメット監督 
ヘンリフォンダ主演の映画。

以来、この作品は手を替え品を替え 
いろいろな形でエンターテイメント化された。

そのひとつが 「12人の優しい日本人」。


僕は1990年の初演と2005年の四演版 
ともに観ているのですが、
実は、映画版が一番好き。

映画のサイズに向いている作品なのでしょう。

“優しい”とし“日本人”として仕上げたあたりが 
さすが三谷幸喜と唸らせる。

ハリウッド映画を観ていた僕は、
なんだ二番煎じかと…当然…思ったものでしたが 
当時、観終わりヘロヘロになった。

2008年アカデミー賞外国語賞にノミネートされた
 “ロシア版”もとても面白い。

「ヒトラーの偽札」もよい映画でしたが 
僕は「12人…」のほうが上(受賞に値したのでは)
と思いました。

なにより共通する不文律ともいえる
“密室シチュエーション” を敢えて広げてみせた
試みが大成功していることに拍手です。

アメリカでもTV映画版として1997年製作されていて、
なんとジャックレモンや
ジョージ・C・スコットが出演している。

これも外せない。本気で面白い。


犯罪の内容と陪審員の性格を変えることで
いかようにも変化するシナリオは
国を問わない、人種を問わない
…共通する社会問題。

ある犯罪(殺人事件)を審議することになった
12人の一般人。

米国版はスラムの子供 
ロシア版はチェチェン人 
三谷版は主婦。

法廷で提出された証拠は
すべて被告人を有罪としている。

とうぜん、陪審員のほとんどが
はなから有罪と考えている。

審議の始まりは まずはの投票… 

11:1 

ここでひとりの陪審員が異議を唱える。

ここからはじまる人間模様。

自分をどの陪審員に投影するか 
ここがこの作品の楽しみ方でもあります。


三谷さん 大味な映画は少し休憩して 
もういちど「12人の優しい日本人」監督して欲しいです。

ぜひ、斬新で新しい脚本で。 

ジンジャーエール!! 
以上のアイデアは出ないでしょうかね?


※「12人…」ものは、すべてレンタルできます。
秋の夜長に ぜひどうぞ。

見比べて面白い 絶対です。
 

欲情の作法[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2009/02/24(火) 22:00

突然、宅配便で送られてきた。
…この本を読んで、感想をブログに書いて欲しい。
というメッセージがついて。
 
「欲情の作法」 著;渡辺淳一 幻冬舎


 
渡辺淳一さんは、別段 嫌いな方でもないし、
どちらかといえば目指すべき男像を体現されているなあ
…と常々感じていたし、
送り主も知った相手なので、
まあ、別段、どうということもないのですが。
 
人に、感想を書けという、
その心中を思い図ると…笑ってしまった。
 
おそらくは、こうである。
「興味があるんだけれど、読むのが…
 読んでいるところを人に見られるのが恥ずかしい。 
 だから、会社では 読めないし、電車の中もはばかられる。
 家で読むのはもっての他だ。
 
これが、文庫本ならなんとかなるが、
ハードカバーの新書となると、
なんか気合入れて、読んでいるみたいで…余計に恥ずかしい。
…でも、中味は気になる…」
 
僕は、人に頼まれると、
わりと断れないタイプの人間あるということまで
察しての行動であるところが、少し、癪にさわりますが…
せっかくのオーダーなので少々思うところを。
 
ひと晩…正確には 布団に入りながら…
1時間くらいで読んでしまいました。
 
そのペースで読んでよい本です。
といっても、意味がないということはなく、
それなりに楽しく読める内容でありました。
 
いちおう、「恋愛のできない男女に向けて」という内容ですが、
これは、完全に 男子の人生の先輩が
若いおまえら!がんばんなさい! 
…という男から男への応援歌です。
 
そもそも男は振られてなんぼ…
なぜか?…
たどりつける精子は1個じゃないか。
 
心を入れず褒めなさい、
そうして、四兎も五兎も追いなさい。
…だって本質は、やりたいだけではないか。
 
女性は、精神的~肉体的に変化してゆく…
その欲望の二律背反、だから難しい。
 
受け入れる性の立場を考えろ!
…そこへの思いやりなくして成就はならない。
 
もちろん、女性への指南もあります。

男は派手な下着は大嫌い。 
ネールアート?
…あんなものに、美しさは感じない。
かさばった髪…
論外。
 
共通して惹かれるのは“清楚”
時に、ご本人の経験談や、
医学的な考察(お医者さんでしたから)を交えて、
まあ、こんな応援歌が流れてくる本です。
 
「いわずもがな」というより、
こういう話しは、男同士ひそやかに 
飲み屋の隅で、行うべきところが本来の“作法”ながら、
堂々と出版してしまう。
そこのところが…この本…
渡辺さんのいちばんのすごいところでしょう。
 
僕個人が、この本の内容…そのものを…どう感じたか? 
これを語るのは、いろんな意味で「危険」ですが(笑)、
あえて、いうなら 

目新しい発見はなく…ああそうそう。
という感じでした。
 
自分には不用な本といえばそうですね。
 
いまの世にこういう本が必要なことはわかりますが、
その意味では、わかっているやつはわかっているので、
わからない…もしくは、
まだ知らない男子には、読んで欲しい。
 
Yさん。あなたがどちらかであるかといえば、
わかっていても、出来ない人なのでしょうから、
読んで、なにかが変わるかといえば…
もう、その歳では…あきらかに無駄です。
 

 
第81回アカデミー賞が決まりました。

今回は、どうしても観たくて、WOWOWを録画しました。
作品 そのものは観ることができていないので、
何かを、誰かを応援するのではなく、
 ハリウッド不況の中、このエンタメ最高の祭典をどう開くのか…
そこに興味がありました。
 
まずはオープニング…
さすがトニ賞受賞のヒュージャックマンでした。
 
ブロードウエイでは新作も含め4割が、興行を打ち切る中…
やはりこれこそが、ざっつ えんたーていめんと!
とばかりに主要作品 ミュージカルし立てで紹介。 

いつもより会場が小さいこともあり、
目の前の並み居るスターを次々にいじりながら、
自分の世界に引き込んでいく姿は…
髭生やして つめ伸ばして 敵と戦うあの映画からは
想像もつかない存在感でした。 
ピープル紙が選らんだ「いま一番イケテル俳優」という肩書き通り。
 
主要な俳優賞の発表では、往年の同賞受賞者を 
プレゼンテーターに呼ぶのは、以前も見られた試みですが、
候補者の数だけ、そのスターを壇上に立たせ、
ひとりひとりの紹介を
それぞれにしてみせてくれた趣向もよかったです。
 
デニーロとホプキンスや 
ソフィヤローレンとシャーリーマクレーンの並ぶ姿に、
客席 スタンディング…
 
さて受賞自体をひと言でいえば、こういうことになります。
 
作品としては「スラムドッグ ミリオネア」 が一番でしたが、
低予算映画、スターもいないので、
その分、俳優部門の賞はいろんな方に
チャンスがまわってきちゃいました。
 
受賞のコメントは主演男優賞のショーンペンと 
同女優賞のケイトウィスレットに感動です。


 
ケイトは
「自分はこの賞を獲ることを夢見ていた、
 小さい頃、お風呂でシャンプー片手に受賞コメントの練習していた」
「パパ!どこにいるの?口笛で教えて!」

~ピュー♪~応える父 

「私が メリルストリープと同じ場所にいるのよ、信じられる。
 メリル、私にとってのあなたはそういう人なの 目標なの」と
受賞を逃した先輩へのコメント 
そういうすべてが、本音で語られている姿は美しかった。
 
ショーンはなにかしでかすか? 


と期待しましたが。
その陳腐な予感を吹き飛ばす、内容で、
 
「アカデミー会員には ホモとアカばかりじゃないの」
とはじめは毒舌ながら、
最後は受賞際対象作の「MILK」のテーマでもある、性差別の撤廃を

「人はみんな平等だと理解しないと、いつまでもダメのままだよみんな」
と言い切り、中でも僕が、感動したのは

「映画俳優がみんなすばらしいわけではない。
 社会的にすばらしい人が ほんとうにすばらしいんだ」

というメッセージと、これまた同賞の候補者、
復活したミッキーロークを気遣い

「われわれの中にもいろんな苦労がある、
 それを乗り越え戻ってきた彼を尊敬する」
という配慮。
 
やはり、すぐれた俳優は、
すぐれたメッセンジャーになりうるのだなあ 
と改めて痛感した 授賞式でした。
 

「おくりびと」よかったですね。
 
もっくんは ファンシーダンスからのファンでして、
少し思い巡らせましたが、わりと役はどの作品も似ていて、
いうなれば

「それなりに プライドもあるんだけど 
 小市民の代表のような男の子が色んな苦難で、
 その醜態をさらけ出しながら成長して、結局、強くなっちゃう」 
そんな役回りの多い俳優。
 
というか、そういう作品での設定を忠実にこなすことが 
似合う俳優といったほうがよいのでしょうか。
 
中期となる「遊びの時間は終わらない」「ラストソング」
「RANPO」このあたりのもっくんは 
自分の演技と言うものが決まっていなかった感じがしました。 
彼の本当のナイーブなところは殺されてしまっていた感じ。
 
でも、1998年 三池監督の「中国の鳥人」 
 
この映画は 僕の人生邦画ベスト10に入るほど好きな作品ですが、
ここから、またもっくんは復活しました。
(あくまでぼくはそう感じたという話し)
 
「双生児」や「スパイゾルゲ」は 
作品どうこうより、もっくんがよかったし、
 
中でも2007年の 「夜の上海」



これはお勧め。
これを機会に ぜひ見直してあげてください。 

よろしくお願いします。
 
最後に まあ いろいろありますが 
アンハサウェイ 僕はあなたが大好きです。  
 

千羽鶴と革命と映画の話し[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2009/01/24(土) 23:20


「千羽鶴」を頂きました。
今時、“この手のもの”は…とご謙遜のコメント…おひとりで折っていただいたとのこと。 まことに…感激です。
 
不器用な自分には、一羽たりとも折れない所業…1000羽折るのに、いったいどれくらいの時間を必要とするのか…
 

そこに…なんとも…力をいただいた気分です。
今時、だからこそ…こういうお見舞いをしようと思って頂いた、
その方のセンス、うれしくなりました。
 

もうひとつ、こんな古書たちが届きました
中でも、「アラブが見た アラビアのロレンス」と
「チェ ゲバラ選集」は面白かった。


 
こんな本があることすら知りませんでした。
ご本人の蔵書とのこと。 
図らずも、2つとも、年末年始に公開された
映画作品に纏わる話しでもあります。
 
 
 
「アラビアのロレンス」
第35回アカデミー賞で、作品、監督賞ほか
7部門ほかを受賞した大作です。
昨年末、完全版ニュープリントバージョンで上映されました。
 
この本のテーマは、
今でも、解決の道が見えないアラブ=イスラエル紛争。
 
この原点は<アラブの反乱>であり…
この戦いを指導したイギリス人が
英雄と讃えられたロレンス。
しかしこれは、西洋人…
とくにイギリスが勝手に作り上げた虚像である…
というテーマ。
 
「アラブのことはアラブに任せよ」
こういう民族自決主義を無視した、英仏の傲慢さが…
今日のアラブ世界の厳しい現状を
産んでいることを史実とともに記しています。
 
 
もうひとつが、「28歳の革命」「39歳別れの手紙」 
年末からの2作品連続公開されている作品。
(チェを主人公とした映画には、若き時代を描いた
「モーター・サイクルダイアリーズ」
2004年公開なんてのもありましたが…)
 
カストロに師事した、キューバ革命の英雄 
チェ・ゲバラ を主人公とした映画です。
 
本の方は、チェ本人の書簡・論文・演説や
コメントで構成されていて、
その哲学や国家論などが、すべてモーラされた大作です。
 
またまた“図らずも”…
2つとも「革命家」の話し、
志を胸に世界を変えようとする
「男」の話です。
 
こうなると、これは、図らずも…ではなく、
送られた方の“作為”としか思えません。
これもまたセンス… 
うれしい知り合いの多い人生に乾杯です。
 
年明けに、映画好きが集まり 宴会。
今更ながら 「自分のベスト作品は…」
などとベタの言い合い。
 
出てくる作品が愉快です、
O君…「ブギーナイツ」 
N君…「あの頃ペニーレインと」 
Kさん…「ミスターグットバーを探して」 
Yさん…「サム ガール」
もう、知らない人は…なにを言っているのか…
全然わからない(笑)
 
あえて、B級クラスなところが…愉快です。
まずは、洋画からはじまり、邦画に移る予定でしたが、
あまりに盛り上がり邦画は、
次回に持ち越しとなりました。
 
ひとまわりした後に、
もんやは…なにが一番なんだ? と…
……出てきません。
 
みなさん、好きな作品はいっぱいありすぎて…
でも、この場のルールだから…あえてひとつ。
と、発表したのに…答えないでは…
それは反則…と叱られました。
 
おっしゃる通り。 
ただ、ミスターグッドバー…は1977年 
ほかは1990年代後半~2000年くらいの製作映画、
 
このあたりのバランスの中で選ばないと、
しらけるかなあ…などと
気を回していたら思いつかなかったのです。
 ごめんなさい。
 
ということで、遅ればせながら… 
「プライベートベンジャミン」…
どうでしょうO君。

 
そういえば、アカデミー賞
ノミネートが発表されました。
いまだ未公開ばかりで、論じようがありません。
 
日本バージョンはそろそろ、 
「おくりびと」と「ぐるりのこと」が観ることが
出来ていないので…発表前になんとか観たいです。
 
ちなみに、クライマーズハイ…とっても好きでした。


 
原作が、横山さんの作品の中では一番好きで、
その後NHKでドラマ化されて、
主演を佐藤浩一が熱演して、
もう映画観ても、心にこないだろう…
と思って観ましたが、とんでもない。
素晴らしい出来でした。

久しぶりに大勢の脇役のそこかしこでの
本気の芝居を堪能させていただきました。

本当に面白い海外ドラマ[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2008/11/17(月) 23:53


海外ドラマは小さい頃からよく観ていました。
小学生時代なんと言っても「スパイのライセンス」
(ABC放送 1968年~1971年)です。
 
もともとは、プロスパイという題名で、
主演はロバートワグナー。
後に探偵ハート&ハートでも主役をつとめた、
甘いマスクの俳優さんです。
 ナタリーウッドと2度結婚していることでも有名です。
 
映画の出演も多く、タワーリングインフェルノで、
不倫してる女性を助けに火の中に飛び込む、
広報部長役…といえば顔を思い出す方もいるかもです。
 
 
我が家にカラーテレビがやってきて、初めて観た、海外ドラマ。
これには、はまりました。
 
ワグナー扮する、女好きでダンディな泥棒、
アレックスマンディが恩赦を餌に、
諜報機関から頼まれる任務を
遂行してゆくというストーリー。
 
静岡の片田舎の普通の家庭のお茶の間に、
突如現われた、ハリウッドのスタイリッシュな世界。
 
「ワタシの名前はアレックスマンディー」という
台詞で始まる煌びやかな1時間は、
テレビの前に釘付けでした。
 
吹き替えは、ジェットストリーム初代パーソナリティーの
城達也さん。
 
そのあたりを前後して高校生までは、
海外ドラマにはまり、
放送があればすべて必ず、観ていました。
 
コロンボ…スタスキー&ハッチ…マクロード…
コジャック……87分署…SWAT…ベンケーシー、
チャーリーズエンジェルや600万ドルの男、
スパイ大作戦…大草原の小さな家、
ナポレオンソロ、ヒッチコック…
 
中でも刑事物のお気に入りは、
「ポリスストーリー」(1973年NBC製作)


 
ロス市警が舞台ですが、
登場人物が1話ごとに替わり趣向。
ある回は刑事、ある回は白バイ隊員、
またある回は、潜入捜査官…
主人公が入れ替わる1話完結。
 
全体に、ヒューマンタッチで、独特の世界観が、
今までになくたまらなかった。
コロンボは、もう言わずもがなですから、
あえて褒めませんが、

この前、まだ観ていない人から、
どの話しがお勧めかと言われたので、
 
「歌声の消えた海」と「祝砲の挽歌」
を押しておきました。
 
SFものは、謎の円盤UFOや宇宙家族ロビンソン、
しかし、なんといってもこのジャンルNO1は
「タイムトンネル」(1967年ABC製作)
 
アメリカの砂漠の地下にある、研究所で開発された、
タイムトンネルで2人の博士が過去や未来を旅する話し。
 
この2人、いったっきりで帰って来られない…
毎回の襲われるピンチに、ラストでは、
また違う時代に飛ばされるというお決まりのパターンが、
手に汗を握る。
「To be Continued」のラストクレジットが
有名になった初のドラマだと思います。
 
ひとつのエピソードは基本1回の放送で
完結するのですが、そもそものテーマは、
1話で終わらず、つながって進行するパターンは、
「逃亡者」や「宇宙家族ロビンソン」などもそうでしたが、
なかでも、この  “手に汗感”  は、
タイムトンネルが秀逸だったと記憶しています。
 
高校生以降になると、
いわゆる政治経済物の大作が相次いで放送されました。
僕は「リッチマンプアマン」(NHK放送)
が好きでした。
 ニックノルティーがよかった。
 
いつ頃からか…その後は、
あまり海外ドラマを観る事がなくなった。
 
観てはいるのだろうが、あまり記憶に残っていない。
最近の方が、記憶にないというのは、
へんな話しですが、
なんかお決まりのパターンに嫌気がさしたのかなあ。
 
「ビバリーヒルズ高校白書」と
「アニーMY LOVE」…
直近は「CSI」くらいですか。
 
 
昨年の話ですが、
お見舞いに「24」を頂いた。
中国の出張土産。
シーズン5までが、セットになっていて、
厚紙の大きな箱に入っている。
 
そう、思いっきりのコピー版(笑)
まるで、タイミング外しているので、
そもそも観る機会はないと思っていたら、
むこうからやってきた。
 
「まあ、こんな機会でもなければ、観ることもなかろう」
「そもそも、お見舞いに頂いたのだから…目は通さねば」
 
そんな軽い気持ちで、見始めた…
参った!…そんなに面白くない。
少なくとも、なぜ、あれほどのブームを巻き起こしたのか…
僕には分からなかった。
 
誰に感情移入してよいのか、
わからないので、手に汗が、浮かんでこない。
 
エピソードが場渡り的で、
話しを引き伸ばすことだけに
終始している感じがハナについてしまうから。
 
 ただ、24以降、
海外ドラマが新たなブームになっていることは、
知っていたので、もしかしたら、昔のように、
心をくすぐる名作があるのではと、
以来、ちょこちょこと、借りて、観ている。
 
LOST
…設定は好きですが、
グランドホテル形式といえど、登場人物が多すぎ。
しかも、島に来る前の話しが、その大部分を占め、
個人のキャラ付けという意味を遥か通り過ぎ、
やはり、単なる引き伸ばしにしか見えない。
◆シーズン3の途中で挫折
 
プリズンブレイク
…主人公は一番のイケメン。
しかし、わざわざ、ここまでするか?
の必然が解消されない
大きな理由は、刑務所の外でのエピソードに
あまりに力がないこと。
映画で刑務所物は数多く観ているので、
それとの違いに目新しさがない。
◆シーズン1で挫折
 
HEROS
…各人の得意技が面白い。
なかでも、チアリーダー。
また、その親父の転身ぶりとその背景もよかった。
…がしかし、こちらも、収束に向けての努力が(笑)
見られず、広げるばかりで飽きてしまう。
要するに「幻魔大戦」のような、
1点に向かううねりを、ストーリーの中心にすえて欲しい。
シーズン2の「ヒロ」のエピソードとか、チャちいし。 
◆シーズン2継続中
 
ボーンズ
…骨の話しには限界があるような気がする。
主人公の設定が普通。
相棒の刑事とのやりとりで、
進行させる手法でもあるが、2人の関係が希薄すぎ。
研究所の同僚のキャラ設定が甘い。
…ただ、シーズン1のエピソード、
クリスマスの回はよかった。
◆シーズン2で挫折
 
とまあ、こんな調子でした。
 
あくまでも、僕の正直な個人的な見解ですので、
「ふざけるな!」のご指摘はあろうかと思いますが…
と、これだけで、終わらせないのが 
もんやのよいところ(笑)
 
ありました! お勧め。
というか、これをお勧めしたいので、
ここまで引っ張ったのです。
 
 Re: Genesis
(カナダムーヴィーネットワークほか製作)



 
これは“当たり!!”です。
 
カナダトロントのバイオテクノロジー研究機関
(ノーバック)を舞台にしたドラマです。
 
主人公は、デビットサンドストローム博士
…分子生物学の天才科学者(ノーバックの主任研究員)
 
ストーリーは彼を中心に、
ノーバックの仲間が数々の難題に取り組むことがメインテーマ。
その難題は、ウイルス性の疾患や伝染病、
大気汚染や遺伝子問題…と多岐に渡り、
そのいちいちに、最先端の見識が詰まってる。
 
犯罪捜査を目的とした機関ではないところが、
みそで、ノーバックに持ち込まれる難題の数々を
プロフェッショナル達が挑んでゆく過程では、
ドンパチや殺人などが起ることはなく、
研究解明と解決策の提示までが描かれます。
 
大きな、魅力はこの研究解明の方向を、
我々視聴者にもわかり易く、見せてくれるということ。
手を抜いてない骨太の演出。
(たとえば、福山の湯川ガリレオ…
彼が始める、物理の数式の羅列…
意味わからないですよね。
そういういい加減な演出ではないという意味です)
 
そして、何よりサンドストロームをはじめ、
出演者のキャラがきっちりと魅力的にたっているということ。
 
主人公で言えば、性格は直情的でいい加減…、
酒好きで、女たらし、料理も得意で、人情にも厚い。
それでいて、世界に知られた天才科学者。
 
相棒のセラーノは冷戦沈着な、遺伝子、解剖学の
スペシャリストながら、ゲイであるメキシコ人。
 
ボブは、協調性…社会適応性に障害を持ちながら、
生化学では、ぴか一の頭脳を誇り、
サンドストロームを敬愛している。
 
そのほかのキャラも皆、魅力的。会話も洒落ています。
 
そんな、面々がノーバックに持ち込まれる、
難題を一致協力して取り組んでゆくところが、
時に痛快です。
 
また、このドラマは、「医学の限界」「科学の限界」も
ある意味正確に描いています。
 
つまり、難題に、挑みましたものの…、
結局解決できない問題という…落ちもあり、
やたらに、“ちゃんちゃん♪”という
ご都合主義になっていないところも、
僕は好きで…このあたり、物足りないという
方もいるかもしれませんが…
僕は、「大人が観るに値するドラマ」と思います。
 
また、話しの進行も、いくつかのエピソードは織り込まれ、
重複して進行するものの、その回で終わらせる話し、
何回かに渡る話し、全体に渡る話し…
ときっちり整理されているため、
「目が飛ばない」というか、
落ち着いてみることができます。
まさに脚本と演出の力。
 
 
現在、シーズン3までレンタルされています。
(カナダではシーズン4が放映中)
いま、これほど待ち遠しいドラマはありません。
 
休日に、暇をもてあましている方、ぜひご覧ください。

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