紋谷のソコヂカラ

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僕は頭が悪い…[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/05/12(Wed) 17:32

頭が悪いというのは、
お馬鹿さんということです。

経験で見聞きしたことは多くあっても、
それを自分の言葉にして語るという作業がなかなかうまくできない。

無駄な修飾を出来る限り、そぎ落とし、
物事の理を多面的な角度から、スパッと言い切りたい。

言い切りたいのにできない。

だからお馬鹿さん。

「たとえば…」は僕の口癖ですが、これなどは、
お馬鹿さんの常套句…なにかを喋り、
相手が理解していないかもしれないと、
なにかほかの例にたとえて、
違う言い方で同じ中身を何度も繰り返す。

くどくて、長い…結局、ずれてしまう。

僕としては、なんとか理解してほしいものごとは、
相手の“知”の部分にいかにコミットするかにかかっていると思い、
なんとか言語調整をして、共通理解にしたい訳なのですが、
ほんとうに頭のよい人は、そんな作業はしないで、
簡潔に誰にでもわかるように噛み砕き、
どんな物事も説明してしまう 

ソウイウヒトニワタシハナリタイのですが…


普段、他人に対して、なにか一見、“徳”になるようなことを喋っても、
それは「いつか、どこかで、誰かが」もうすでに言っていたことで、
それを聞いていた僕が、いつの間にかそれをちゃっかり
自分の“意見”のようなことにしてしまっている。

ボクの言葉は誰かのモノマネ。

ほんとうに自分の「思想」として発信できていないと、
いつも感じています。

これは、ほんとうに考えるべき時に、
ちゃんと考えてきていなかったせいだと自覚していて、
普段、新しい情報に触れると、
その“本質について”自分の言葉で考え、
口にするように…努力はしているのですが、

なかなか切れ味するどく…とはいかない。 

何度、考えても同じところをぐるぐる回っていたり、
本質より“我(が)”が勝ってしまい、
それ以上思考が先に進まないということがいつもなのです。

◆◆◆

昨年から今年にかけてベストセラーになった新書の数々は、
こういう僕の頭の悪さを補ってくれる貴重なアイテム。
最近のお気に入りは、

 「日本辺境論」内田樹:新潮新書



これはとても面白い本です。
“辺境論”などというタイトルを見ると、
ああ、そういう島国モノね…などとイメージしてしまいますが、
その“そういう…”ってところを、そのままにしないで、
「なんなんじゃ?」とページをめくり始めると
もう、止まりません。

「日本人は自分でルールを作っていない。
   誰かがつくったルールに乗るのが大好き…なぜか?」

「知識人を自認している方々も、なにか起こると…
   ○○の国ではどうしたこうした…とすぐ諸外国を例に
   善し悪しを論じる…どうして?」

「水戸黄門はただの爺いなのに、狐たち(助さん格さん)が、
   騒ぐ立てると虎に見えてきてしまう。
   場違いに態度がデカイただの爺いが、前の副将軍であるかなんて、
   誰も分からないのに、悪者は虎のイメージにひれ伏してしまう
   …なぜなのでしょう?」

難しい本質をわかりやすく教えてくれる…
こういう本こそ“良書”と呼ばれてよいのでしょう。

第一次世界大戦に勝利したこと、
そしてその後の我が国の立ち居振る舞い…
国際人ではない日本人 このくだりと、

日本の小説(特に日本人が大好きな琴線に触れる文学)は
英語をはじめ、諸外国で翻訳化されていない…というくだり
が特に好き…というか個人的に勉強になりました。

知の巨人…養老猛司さんは、
この本についてこんなことを語っておられます。

「自分で骨組みまで考える人は非常に少ないのです。
   骨組みはどこか他所にお願いして、
   その内側で細かいことをやる人がほとんどです。

   これは文系も理系も同じ。むしろ理系のほうが
   文系より酷いかもしれません。
   大きな枠組みを考える人が少ない。<中略>
 
   内田さんは日本、日本人について
   大きな枠組みを作って考えている。
   しかもこんなに真面目なテーマを扱いながら
   笑えるところがあるのは珍しいでしょう。」

そうそう「自分で骨組みを考えたい」
これが僕のお馬鹿さんからの脱却です。
しかし、道のりは果てしなく遠い、気がします。

蛇足ではありますが、「日本辺境論」は
昨年1500冊ほど出版された「新書」の中で
いちばん読まれている本だそうです。
未読の方は、ぜひ。

ちなみに、今年、いまのところ面白かった新書は

「不幸な国の幸福論」加賀乙彦:集英社新書

 「人間の器量」福田和也:新潮新書

器量をあげることも、僕自身の重要なテーマではありますが(笑)、
これも言っているそばから道のりは遠い…
と感じさせてもらいました。


俳優T[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/03/28(Sun) 21:43

スポンサーがCM出稿を手控え、
お金がなく、手間暇かけない、
結果、つまらないものが出来上がり、
視聴率はどんどん落ち、余計にスポンサーは、
お金を出さない。

どこから始まるのかはしれないが、
この負の連鎖、スパイラルは下にむかって、
どんどん加速して、
もうどうしようもないところまできている。

漢字をはじめとするお勉強モノ 
グルメランキング 
綺麗になりましょ 
政治経済批
判モノ などが、
バラェティーやお笑いとひっついて、
低予算、スタジオものが跋扈し、
ひな壇なしの画面を観ないことはない。

どんなに真面目な話でも、最後がひな壇での
コメントになるため、出演している芸人さんや
なんだか芸能人の、人となりだけは、
詳しくなるものの、
肝心のテーマはあまり印象には残らない。

テレビが人を馬鹿にする…
こう言われたのは何十年も前ですが、
最近は表面的な知識が身に着く?という利点は
置いておいて、すべてがインスタントで進行し、
その意味で「残らないもの」を
生み出す温床になっている。

…と、ここまでは、周知の事実。
いまさら僕が偉そうに
言うほどのことでもないのですが、

この現象に関して、僕が少し気になることは、

「テレビの前で家族が揃い、一家の団らんをする」
という生活文化が、いまどうなっているのか?

ということです。

そもそも、テレビの前で…は死語なのでしょうか? 
それともそんな環境(chを変えたくなるという意味)でも、
団らんは、ちゃんと成立しているのでしょうか? 

「いい胸ね … 取って見せたら …○○○○○ 」

「うーん川柳かぁ? ○○○○○を当てればいいんだな…! 
   わかったぞ…
   いい胸ね … 取って見せたら …“いいブラね” …どうだ」 

「正解!! すごい父さん」

「ははは、昔、ちょっとな川柳かじってたんだよ」

「へえ~」 

「◇◇も、覚えるだけの勉強ばかりじゃダメだぞ、
  こういうユーモアを理解しなきゃな」

「は~い」

とか、盛り上がっているのでしょうか? 

…とはいえ、娘も息子もいない僕にとっては、
それ以上の関心事でもなく、それ以上に勘弁して欲しいこと…

それは、

やっぱり、CM収入が賄えない民放各局は、
最近の製作委員会方式の映画産業に乗り出して久しく…

おかげで、映画製作そものもが、薄利多売化してきていて、 
低予算が質の低レベル化を招いているという点です。

低予算でもよいのです。
主役が歌手でもお笑い芸人でもよいのです。
監督が俳優でもよいのです。
もっと言えば、出演者が、
タイアップの番宣に出まくり…でもよいのです。 

…おもしろければ。
…とにかく出来上がった作品が、
おもしろければよいのです。

そうでなければ、わざわざ映画館に足を運んだり 
Tさんにレンタルしに行く意味がないのですから。

そもそもの本業のテレビドラマの質の低下が
先にきているのですから、そんなこと言われても…
というクレームがきそうですが。

それは本末転倒です。
よろしければ、本業回帰…
ここにお戻りいただきたい。

昨年良かったと思えるドラマ、
観たいなあ…と思わせるドラマの少ないこと少ないこと。

最近は、個人的な事情と歳のせいで、
あまりテレビドラマなるものを観なくなっていますが、
それでも、気になるドラマをHDDに録画…
ということはたまにしています。

昨年よかったのは、12chで春の深夜枠で放送した
CXの深夜枠「深夜食堂」ともに原作は漫画。



前者が温泉宿のベタロケ、
後者はスタジオベタ…

出演者も、遠藤憲一、小林薫と、主役のそれぞれ以外は、
あまりギャラの高くない方々で、
そこに深夜枠の自由さが加わり、
作り手も楽しんでいる感じがうかがえた良作品でした。
(湯けむりの、でんでんさんは最高でした)

2時間モノも松本清張ブーム+昭和回顧ブームで、
数多く作られましたが、おもしろいものは少なく、
10CHの「刑事一代」これが素晴らしかったくらいでした。



民放が体たらく…ここぞとばかりに
NHKが攻勢をしかけているのが笑えますが…
うれしいです。

それでも、最近の、「ざらつき 暗め 画面」の
オンパレード(ハゲタカあたりからか…)は、辟易です。
大河も観ていません。やはり福山=竜馬は違和感で、
ほかの役者が一生懸命になればなるほど、
浮いて見えてしまうのがどうにも…
でも、ここのところは好き嫌いレベルの蛇足です。
はい。ごめんなさい。

一生懸命といえば、香川照之さんの 
出まくり状態はすごいです。
「坂の上の雲」
(これは良いドラマ こっちを大河にして欲しかった)
「竜馬伝」…「ディアドクター」
「20世紀少年」「カイジ」「沈まぬ太陽」
「ゴールデンスランバー」
…そのすべてで存在感、すごい役者さんだなあ…と思います。

その天才香川をもってしても、
どうしようもなかった映画…「○○」。

それが、今回のテーマ 「俳優T」の存在。 
… ここままでの、どこかで聞いたことのある話は、
このTの話がしたいがための 前フリなのです。

前フリ長え~ まだるっこしイ~ ふざけるなあ~ …(笑)


◆◆◆

僕はこの「俳優T」が苦手です。
はっきりいって、サヨナラして欲しい。

それはなぜかと言えば、彼(男なのです)が出演していると 
どんなに良い作品もよくて3割、下手すると5割 
つまらなくなってしまう…という効果の持ち主だからです。

映画のお初デビューは 20年くらい前ですか…
あるコミックスの映画化 ちょっと変わったスポコン+恋愛モノ 
高校生の主役二人は別にいて、彼は準主役。

以来、数多くの映画に出演、
…90’の岩井俊二の映画あたりがきっかけで、
その起用方法が確立されてしまい…なんだか、
アナーキーで今風の空気感の代名詞的な存在になり、
主役扱いがどんどん増えていった役者さんです。

もちろん、中には、映画自体の出来が
すばらしいものもあるのです。
…でも、しかし、そのほとんどは、
「ただのなんとなく作った、雰囲気よいだろう的な凡作」

その原因は、もう紛れもなくこの「俳優T」の存在。

素人が演技についてとやかく言うのはなんですが、
台詞は棒読み ぎこちない動き 凡庸な顔つき…そのすべてが 
作品自体をグレー色に包んでしまうのです。

去年、ある大御所の監督が彼を起用することとなり、
その演技を見てこう言ったそうです。

「キミ…そのままじゃ駄目だよ もっとなんとかしようよ」 
…と。 
そうなんです
なんとかしてもらいたいのです。

しかし、その映画も 
ほんとうに日本を代表する女優さんをはじめ 
出演者みんな芸達者なのに、彼が出ていることで…
駄作となっていました。

どんなに緊張感があるシーンでも、彼が演じ 
喋りはじめると…とたんに白けてしまう。
ある意味、すごい効果です。

先の天才香川さんが アカデミー助演を獲得した映画も、 
お金をかけ、時間をかけ役者も揃え 
原作もよく撮影技術も最高で、 
どうやってもよい作品になるだろうという
下地のしっかりしたものでしたが…これまた…彼のせいで
…陥落 没落 都落ち…でした。 

まことに残念です。

こうならうと、演じる方も演じる方ですが、使う方も使うほうだろ…と思うのです。

この映画などは、そもそも監督は彼をよく知らず、
その前に観た“モンゴルの大地を馬で駆け回る役の彼”を見て、
こういう過酷な撮影に耐えられるなら、
今回の僕の作品に出てもらおう…となったらしいのですが 
そもそも、この映画、モンゴル人役の彼は、
台詞をほとんど喋らない設定なのです。

そういう安易なキャスティングが、
監督本人の、後の身の不幸を招くとは、
思いもよらなかったのでしょうが、
そういうことでは困ります。

別に、ひとりの役者がどうでもこうでも、
そんなことは、そもそもどうでもいいのではないか?

ごもっとも…と言えないのです。 
だって、本当は良い作品を、彼のせいで台無しにしてしまわれたら、
他の役者さんも勘弁して欲しいはずであり、
観客は離れ、映画文化の質はさらに落ちてしまうのです。

見過ごすわけにはゆきません。
頑張っている役者さん、映画を楽しみにしている観客のためにも、
ここは敢えて僕が言います。

「Tさん 引退してください」 

もしくは 

「演技をもういちど、イチから勉強してください」 

お願いします。

…しかし、悲しいかな…小さな庶民の声は届かず
…彼は映画に出続けている。

サムライミがあきらめ…巡って 
クラウディアシファーの旦那が監督することとなった
「ソー」にも出演しているらしい…
世界が認めた 
…とか付けて紹介するのだけは勘弁してほしい。

とひそかに願うくらいしかできない自分がくやしい。

ハリウッドが出たので 
最後に本年度の米国アカデミー作品賞 
「ハート・ロッカー」を観ました。

途中で、映画館を出たくなりました。

「かつて、ヴェトナム映画がそうだったように 
  アメリカがイラク…アフガンから完全に撤退し
  …なにも解決していないというところまで時代が進み、 
  …生み出されたさまざまな悪夢が、歴史として
  国民の感情の中に消化されたのであれば、
  かのディアハンターや
  キリングフィールドのような名作が、 
  きっと生まれるに違いない」

と、いかにも映画通のような小癪なコメントを送ります。


春と修羅[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/03/15(Mon) 15:33


どうも調子が出ない 
これは春のせいであります。

大きな地震が立て続けに起こったり 
こころ根の優しいミュージシャンが
不当薬物の使用で検挙されたり

クライアントからバグのクレームが相次いだり 
朝から猫がにゃあにゃあうるさいし、

治してるんだか広げてるんだか知らないが、
「ここも工事中かよ!?」で、
ヘルメットから覗く顔は、
どうみてもアラブ人で、
「ドウシテ ワタシ ココニイル?」
って顔しているから 
文句も言えないし、

強風で飛ばされた隣の家の洗濯物が、
僕の車の上に引っ掛かっていて、
それが女性の下着だったりで…

「返しにゆくもゆけないじゃないか!」
…だったり、

久しぶりに電話が来たと思ったら、
「おれさあ…この年でさぁ、営業に逆戻りだってさ 
  事務のパートのおばちゃんだけのさあ
  …そこの所長…どうよ?」 

って、「…で どこ?」「四国」「四国のどこ?」
「香川?」「香川…いいじゃん」「香川ってなにがあるの?」

…だったり。

そういうこと全部が春のせいであります。

師走、年の瀬は「よし、今年も残りわずか  うんうん 
自分…それなりに頑張った よしよし 来年も」

と、どちらかと言えば、前向きに振り返り 
前向きに目指す そんな風な心持ちになれるのに、

この年度末と言うのは 
どうも 気が乗らない 。

それなりに忙しいのは当たり前、
でも、どこかなんだか、どうにも上の空、
それでいてあせる 
そんな感じの時期ではないですか?

僕だけか。

この季節に起こる 
マイナスな出来事は、
ぜんぶ“春のせい” にしてください。

僕のせいでも あなたのせいでも 
猫の発情のせいでも アラブのせいでも 
現場知らない社長のせいでも 
ありません。

「春のせい」 なんです。

以前にも触れた気がしますが(忘れたのも春のせい)、
自然界は寝ているのです。
起きるのは、梅雨の始まりから…

人間程度が がちゃがちゃしても、
大きなメカニズムが「寝ている」ことを要求して
いるのですから、

うまくゆくこともゆかない 
そんなことな当たり前。

歯ぎしりしながら 
行ったり来たり そういう季節。

四月の気層のひかりの底を
唾しはぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ

宮沢健二の心象スケッチの 
この一文が好きでした。

※というか序文などは難しくて、中学生の僕には理解不能

まわりはなんだか浮かれているけど 
ちょっとまて 自分の今はどうなのか?

そういうことを立ち止まって考える 
そういう時間を少しでも持つ 
そんな示唆 そういう季節なんだとも、
思う訳です。


「○○を考えると ○○がベスト ○○から進めてゆこう 
  でも○○の部分はファジーだから 進めながら解決」

はいはい。そうです そんなことばかりです。 
それはそれで やんなきゃならない
ことは ちゃっちゃとやりましょ。

その流れの中でも 
まてまて「春にだまされてないか?」と 
もう一度 振り返る 

「おい! 春なんだから 気をつけろ」
「えっ? なんですか?部長?」
「いいから…それでいいから。
 でもな…春なんだから 気をつけろよ…ニッ」


■■■

「96時間」 という映画がおもしろいです。



リュックべッソンが監督も役者もしないで 
製作と脚本に関わってる“だけのおかげ”かもしれないですが、
とてもおもしろいです。

アクションものです。

元CIAです。 
最愛の娘の誘拐事件です。

東欧人の売春組織(※) 
相手のロンリーウォーズです。

※去年の翻訳本で大人気でした「ミレニアム」
の2でも題材でしたが、いま、旬なのか?

こいうと…
「ああ…なんとなく想像つく」
とか思われるでしょうが、

その、あなたが瞬間に抱いたイメージより…
3倍は 確実におもしろいです。

主演はリーアム・ニーソン 
※シンドラーの所長 スターウォーズのジェダイの騎士 
でもこの映画での彼は ラブアクチュアリーの妻を亡くして
義理の息子の小さい恋のメロディーを応援する
父さんのイメージが一番近いです。
役柄はぜんぜん違いますが。

大箱でのロードショー大作に比べてプログラムピクチャー
(娯楽もの、早撮りの低予算という意味に使われますが、
 もともとは違います。説明すると長くなるので
 便宜上ここではそういう意味で使います)

の匂いがムンムンしますが、
なかなかどうしてまったく飽きずに 
引き込む力のある展開です。

CGはゼロ 
リーアム・ニーソン体当たりです。 
彼でなければここまで雰囲気でなかった映画。

ハリウッドがブルースウイルス使って作ったら 
ぜんぜん駄目になってしまう話しであります。

「24」のシーズン1を
「240時間くらい」かけて観るより

「96」を1時間半くらいで観る方が 
 おもしろいと 

…われながらおもしろいことを言うなあ
…というくらいおもしろいです。



「春のせいってだけじゃあ 
 このもやもやは晴れんなあ~」

とお嘆きの週末などございましたら 
ぜひ。


観なきゃね 2009 [紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2009/12/13(Sun) 20:08

■  年末特別対談 ■
 
“アロハ坊主さんと、今年の映画を語る”
今日は、わざわざ戸塚までお越しいただきありがとうございます。
 
さて、早速ですが、今年公開された映画、
全般についてどんな感想をお持ちですか?
 
アロハ
「全般的に、今年は面白い作品が少ない年でしたね。
 あとは、これは、面白い作品と思える作品と、
  そうでない“駄作”(笑)との差が激しかったような…
  もんやさんはいかがですか?」
 
もん
 「同感ですね。特に、大作ハリウッドものが…ひどい。
    でも、そんな中、やはり これは観てほしいという
    作品を紹介したいと思います」
 
…… まずは、お互いの今年のベスト5の発表から
 
もん 
1位:「サマーウォーズ」
2位:「母なる証明」
3位:「グッド・バッド・ウィアード」
4位:「フィッシュストーリィー」  
5位:「スタートレック」
6位:「カールじいさんの空飛ぶ家」
7位:「レスラー」
8位:「ディア・ドクター」
9位:「愛のむきだし」
10位:「ハルフウエイ」
 
アロハ 
1位:「サマーウォーズ」
2位:「ディアー・ドクター」
3位:「南極料理人」
4位:「母なる証明」
5位:「精神(ドキュメンタリー)」
6位:「あの日、欲望の大地で」
7位:「愛のむきだし」
8位:「グラントリノ」
9位:「ラースと、その彼女」
10位:「3時10分 決断の時」
 
もん「…なるほど、事前に打ち合わせなしの割には、何作品か。
   かぶってますね。実は正直、この企画の前に、
   まったくかぶらないんじゃないかと、思ってたんです…」

アロハ「それは、なぜですか?…僕は、先に言ったように…
    今年は落差が激しいってところ、おんなじ感想だから、
    選ぶとなるとかぶらざる負えないかな…と」

もん「そうですね。その面白い感覚って、人それぞれで、
   それを言ったら同じなんだけど まあそれでいいわけで。
   …でも、それでも、やっぱり観ておくべき、
   面白いものというものは絶対にあって、
   その面白いものを見分ける力もあると思うのです。
   その意味では、お互い、その力はあるということで(笑)」

アロハ「…でなけりゃ、年末にこんな
    愚にもつかない対談しませんよね。
    自画自賛ぽいですけど」

もん「ただ、お互い、今年の全部を観ていない。
   だから漏れてるかもしれませんし、厳密に順位というのは、
   つけられないもんだから、
   そこんところは、大目に見ていただくということで…
   でも、せっかくですからこの場、2人のお勧めということで、
   決められたらベスト3くらいきめましょ。」

アロハ「確かに… それでお願いします」
 
もんや「まず1位…ははは お互い相当観ているのに… 
    見事に…おんなじですね」

アロハ「おなじですねえ… この作品は気持ちエグラレましたね。
    これがオリジナル脚本というのはもうすごいですね。」

もんや「時をかける少女…で資金が集まったそうですからね」

アロハ「田舎のお盆休みとバーチャルな世界 
    この対比の着想がすごいし、老若男女が楽しめる
    物語に仕上げているところがすごい」

もんや「僕、この映画の感想を人に話す時に…
    泣いちゃってんですよね。ぼろぼろ。」

アロハ「どのあたりで」

もんや「…隠し子、侘助が、ばあちゃん訃報聞いて、
    戻るところ…あそこ!…あそこはやばい!」

アロハ「僕は、なんと言っても、少し内気な理科系男子の、
    小磯健二クン。よそ者の彼が、最後まで奮闘する、
    そこに共感した。侘助クンもそうですが、
    いまの若者のキーワードは“疎外感”だと思うんですよ。
    そういうと、ネガティブな形容詞ですけど、
    その疎外感も時と場合によっては、
    生きるエネルギーに変えられるってことが伝わってくる」

もんや「ばあちゃんの愛?」

アロハ「そうそう」
 
もんや「じゃあもうこれは、もうお互い大絶賛ですから。
    文句なく今年の1位でよろしいいですかね?」

アロハ「そうですね」
 



■■ 1位 「サマーウォーズ」 ■■

 
もんや「2位は かぶってますけど、 
    順位が違う… 点数化してみると…次が、母なる証明」

もんや「ポン・ジュノ監督大好き。
    待望の新作で、楽しみにしていました。
    やっぱり、ただものじゃない」

アロハ「世の中の倫理観とか、無視して、自分の信じる道、
    進む主人公…好きなんですよね」

もんや「…母の愛…ですね」

アロハ「今回は、そうですね」

もんや「ラスト前の草原のダンス…どう見ますか?」

アロハ「…あれは、監督の観客への挑戦ですね。
    だから、冒頭にも印象的に使ったんでしょうね。」

もんや「…演出ですよね。バスの中で最後…乗客に合せて踊りだす
    あのシーンとは、ニュアンスが、違いますよね。
    原題はMATHERだけ。
    そこの邦題は“証明”をつけた。センスあるなあ」

アロハ「キム・ヘジャとウォンビン…役者としては両方すごい。
    ちょっと意地悪な質問ですが、
    あえてどちらの演技がよかったですか」

もんや「それは もう ウォンビンです」

アロハ「なぜですか?」

もんや「母の演技は極論言えば、ほかにできる
    韓国女優がいると思います。
    でも、あの精神薄弱さの演技は、
    できそうで誰にもできないところを感じました」

アロハ「少年の無邪気さの怖さ」

もんや「日本の俳優も見習ってほしい(笑)」
 
アロハ「では、第2位で」
 


■■ 2位 「母なる証明」 ■■

 
もんや「次は、ディア・ドクター。アロハさんが進める根拠は?」

アロハ「もんやさんにとって、ポン・ジュノが
    タダものじゃないように、
    僕にとっては西川美和監督がタダものじゃない」

もんや「蛇イチゴ ゆれる … 西川監督、進化してますか?」

アロハ「してますね。全体的に、人間って不可解…
    てところの描き方がより深かったです」
 
もんや「問題はラスト。ここは触れずにおけないですね」

アロハ「その前に…いいですか。
    僕どうしてもいいたいんですが、
    “人間って不可解”ってことが、
    登場人物すべての設定に表れていました」

もんや「みんなひと癖ある。特に後半の事情聴取…
    あの辺りの描き方はタダものじゃない」

アロハ「普通なら、ああいう演出はしないですよね」

もんや「…っていうかできない。
    余貴美子さんの看護師役なんて、
    相当に微妙で難しい役柄に設定している」

アロハ「監督自身この作品は、ゆれるで大成功を収めて、
    周りから過度な期待を受けていたことに
    対しての答えって言ってます」

もんや「期待に応えるってことは、演じるってこと。
    そこを突き詰めると、ほんとうの
    自分じゃないところも見せてしまう。
    その思いを登場人物に投影させたと…」

アロハ「そうです…あと今回は“灯り”…この演出方法が秀逸です。
    鶴瓶演じる伊野医師が持っていたオヤジのペンライト…
    夜になると電灯ひとつない真っ暗な村の風景の中で、
    微かに輝くスーパーカブのライト…
    ここに彼女の繊細なこだわりが…」

もんや「さすが、お勧め。気合いはいってますね。
    …で、その灯りは、なにを表現したかったのかな?」

アロハ「人のよりどころ…を表現していた
    ペンライトは息子のよりどころであり、
    カブのライトは、村人のよりどころ。」

もんや「なるほど。よりどころ…といえば
    一番は八千草薫演じる、かづ子さんが伊野医師のよりどころ…
    なんでしたかね?…だからあのラスト?」

アロハ「その通り」

もんや「僕は、あのラストは違和感あったんですけど」

アロハ「人間の不可解さがテーマですからね。あれでよかったんですよ」
 
もんや「いいんですか 3位で(笑)?」

アロハ「はい」
 


■■ 3位 「ディア・ドクター」
 ■■ 
 
 
もんや「では この会の順位つけは ここまでで。
    ほかに挙げた作品でのお勧めコメント…まあ、
    全部観て欲しいけど、あえてひとこと言いたい放題で」
 
アロハ「“南極料理人”…男子寮のようなふじドーム基地で
    くりひろげられる汗臭い南極生活。
    見所はラーメンから伊勢エビまで、
    バリエーション豊富な料理の数々
    あと、パンチラ盗撮、破廉恥、お下品満載ながらも、
    溢れんばかりの愛を感じさせてくれた、“愛のむきだし”…
    家族の崩壊と再生の物語、“あの日、欲望の大地で”
    これは、なにせ衝撃のラスト!!
    シャーリーズセロンが、冒頭から裸!
    …彼女の過去がラップしての展開。
    ありきたりな不倫話しをここまで引きこませるのは
    大したもんです。」
 
もんや「全部観ろ!ですが…
    伊坂幸太郎原作の“フィッシュストーリィー”。
    映画化としては、“アヒルと鴨のコインロッカー”に並ぶ、
    お気に入り作品です。
    今年は、重力ピエロとラッシュライフは、観なくて良いので、
    こっち観て欲しい。
    来年のゴールデンスランバーが楽しみです。
    
    ハリウッド系では、“スタートレック”。
    …バットマンや007シリーズと同様に、
    やっとリメイク重ねてよくなった。面白かったです。
    そして“ハルフウェイ”…北乃きい…おそるべし演技です」
 
 
もんや「ありがとうございました。
    このお互いのランキングは、厳選のお勧め作品ですから…
    このまま続けると夜が明けてしまう(笑)

    …来年もやりましょうね」

アロハ「ぜひ。呼んでください」
 
 

とにかく黙って、観るべし 読むべし[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2009/08/19(Wed) 21:44

8月17日 月曜日 
…お盆休みが終わったのと同時に
…風が変わりました。
 
日差しは、まだまだ夏の勢いがあるのに、
蝉もじゃんじゃん鳴いているのに…
感じる風が涼しくなってしまった。
 
季節の変わり目の中で、僕は、
この瞬間がいちばん悲しい。
他の季節は、なんとなく終わり、
なんとなくそれなりに、
次の季節がやってくる感じなのに、
夏の終わりは、わかりやすく訪れる。
 
そこがまたなんとも悲しい。
 
そのうちに、秋の気配が色濃くなってきました
…なんて言い始めるのだろうが、
 
この風の変わり目を感じると、もう、
僕の気持ちは充分、秋となってしまいます。
 
これから年末大晦日までの季節は、
嫌いではないのですが、
また1年も夏を待たなければ
ならないと思うと、どうにも悲しい。
 
いっそのこと歳が改まったら、
梅雨に入り、2月からまた夏になればと思う。
 
そもそも、正月から3月までは、
どうにも白っちゃけていて、盛り上がりに欠けるし、
春…と持てはやすが、自然界はまだ寝ている最中に、
狂い花「桜」で強引に盛り上げても
それほどの感慨はないのではないか。
 
どうしても というなら 
桜は 元旦あたりで ばあっ!! と
おめでたく咲いてもらってもいい。
 
とにかく 桜が散ったら すぐ梅雨で… また夏
…とならないものか。
 
こんなくだらないことを真剣に考えるほど、
この風の変わり目は悲しい。

休みが終わり、会社に行きたくないなあ…と思って、
行き始めると…それはそれでまた変らぬ日常。
 
…で また週末。 

そんな週末は、お出かけしないでご自宅で楽しみませんか。
 
 
◆◆◆
 
「故郷の香り」 

という中国映画 



 
中国現代文学の巨人…莫言(モォ・イェン)の原作とか、
「山の郵便配達」のフォ・ジェンチィが監督…とか、
まあそういう注釈を書けばキリがあるいませんが、
そんなことは、ネットで適当に調べてください。
 
そんな注釈とは、関係なくこの映画は素晴らしい作品です。

僕は、見終わって、しばらくの間、ボーっとしてしまいました。
 
中国映画をアンディーラウやジェットリーや
金城 武だけだと思っているのは大きな間違いです。
 
最近の「ラストコーション」 や 「エグザイル/絆」 
なんかを観た人はもうご存知だと思いますが、
今の中国映画は、とてもいい感じです。
 
閉鎖状態が長かったせいで、表現の自由や技術レベルが、
韓国よりは遅れていましたが、
ここにきて、見事に進化されています。
 
ああ…そういう注釈はどうでもいいですね。
 
 
ある青年が、故郷に帰郷します。 
そこから物語りははじまります。

そんでもって、初恋の女性とすれ違います。
初恋の女性は、もう故郷の村で結婚していて、
女の子の母親でもあります。
 
その旦那が 香川照之…そうあの日本人俳優。
青年は、彼女の家を訪ねます。
 
香川扮する夫は言葉が喋れません。 
貧しい暮らしです。
 
そこまで見せて、映画は3人がまだ若かった頃
(といっても数年前)を描いてゆきます。
 
…細かく書いてしまうと申し訳ないし、
あの空気感を表すなんて無理なので止めます。
 
とにかく、ラストまで観て欲しい。 

絶対に損はありません。
 
◆◆◆
 
「悪い男」 

という韓国映画
 


これは、すごいです。 
 
キム・ギドクは、べネチュアに出した「受取人不明」から
評価を得た監督ですが、こちらは薦めません。
 
戦争の影と地方のあり方みたいなメッセージが中途半端で、
出来損ないのATG映画のような
陰湿な猥雑さが、まだ消化されていない感じ。

でもわずか1年で「ここまで進化するのか!」という
驚きの完成度が、この「悪い男」。
 
ヤクザな男がお嬢さんを見初めます。
お嬢さんを嵌めて、売春婦にしてしまいます。
その展開にびっくり。
 
女は、男を憎みます。
でも、それでも男は純愛です。
 
話の真ん中まで、男はひとことも喋りません
(ギドク作品にはこういうの多い・笑)
…でも、その理由がわかります 
ここでびっくり。
 
男は女を逃がします。
でも、女は戻ります。

なぜ?

…このあたりの心象描写と女優の演技はすごいです。
 

売春宿の小部屋 マジックミラー 雨の日の花の鉢植え… 
映像も素敵です。
 
人のいない海岸で、少しファンタジーな仕掛けが 
見る側を惑わせます…こういう仕掛けもお洒落。
 
この映画、日本の監督さんや脚本家なら、
「ここで終わりにするだろう」というシーンが2回あります。
 
でもギドクはそこでは 
…そこでも終わらせません。
 
ラスト…これまた 
なかなか 「悪い男」
 
ちょっと余談ですが、
 
最後の最後
走り去るトラックを空撮で引きで…の絵 
…エンドロールにつながる 
このセンスは そうとうに
お洒落です。
 
 
◆◆◆
 
 
「最も遠い銀河」 

白川道 小説
 

 
「1Q84」も「運命の人」も「鷺と雪」も「骸骨ビルの庭」も
…それぞれに楽しませてはいただきましたが、
いまひとつ消化不良でした。
 
そんな中、文句なしに 
今年のいまのところのNo1はこの作品。
 
主人公の幼少期や 過去のトラウマが 物語の軸をなす 
…こういう作品を 僕は「砂の器系」と呼んでいますが、
この「最も遠い銀河」もジャンルは砂器系。
 
作者 白川氏曰く 
「自分が面白いと思うことが、読者と合致しなければ止めるだけ」
「生活のために本は書かない」
 
さすが、もと犯罪人(笑)
 
しかし、ほんとうに面白いので恐れ入ってしまいます。
 
ストーリィーは才能にも容姿にも恵まれた建築士と 
小樽のリタイアした元刑事 
この2人の話が、テレコで展開します。
 
主人公はもちろん 脇に出てくる登場人物が 
みんな魅力的で…総がかりで
話を盛り上げてくれるもんだから 困ります(笑)
 
実は、途中から、このもと刑事のおっさん 
…どうしてここまで、この事件に執着するんだ…と
思えて仕方なかったのですが、

ラスト近くのあるシーン 
「500円玉のシーン」と呼びましょう 
このシーンの話の進め方で 
そんなフラストレーションも吹っ飛んでしまいました。
 
 
上下段で1000枚を優に超える文章量で 
この面白さ 

…ありがとうございました。
 
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